2009年4月17日金曜日

2009年4月16日(木): ジムクレイマー MAD MONEY




今日の株価終値:
Dow Industrials (.DJI) 8,125.43 △95.81 (+1.19%)
NASDAQ Composite (.IXIC) 1,670.44 △43.64 (+2.68%)

今日は、どうやってウォールストリートを出し抜き、一歩先を読むか、ということについてお話しよう。

どうやって相場や、個別株の底や天井を見つけるかというお話だ。

例えば、株の業績が上下どちらにしろ修正されるだろうことを予測したり、相場の流れの中で、セクターがどうローテーションしていくかのタイミングを計ること。

つまり、株価がどちらの方向に動くかを、事前に予測するということだ。それも、アナリスト達の先回りをしてね。

水晶玉が必要だって? あなたが必要なのは、この私だ! だから注目して欲しい。

もし、相場の大きな動きを事前に予測出来たなら、そこで大きな利益を得ることが出来るだろう。

今日は私のヘッジファンド時代の経験から得た、その秘訣をお教えしよう。

まず、ボトムから。これは私の最も得意とするところだ。本当の相場自体の大きなボトムは滅多に起こるものじゃない。だが、それを当てることが出来れば、大きな利益を得られる。

ボトムは最高だ。なぜなら、素晴らしい買い場を提供してくれるからだ。リスクはミニマムだからね。但し、本当の底をきちんと見分けられたらの話だがね。

最初に、間違った相場の味方を説明しよう。多くの人間が、底を当てるのにテクニカル分析だけに頼ってしまう。しかし、チャート派は、大抵底を見間違う。

時に株は、下げ相場において、ちょっと一息つくことがある、しかし、その後奈落の底に落ちて行くこともあるんだ。チャートは重要だが、底を当てるにはそれだけでは不十分だ。
テクニカル分析派は、チャートはいつも正しいという。間違えるまでね。

ちまたのチャート分析のソフトウェアが、本当に正しい判断をし続けているのを見たことが無い。

そして、証券会社のアナリストは、投資家からの突き上げをくらう。底はまだか、まだなのか、ってね。

アーニングリポートからボトムを測定することも、今まで正しかったためしがない。
多くの人間が底が来るぞ! とまだ思ってる状態では、本当の底は来ない。

相場の底の、他の重要なファクターは、滅多に一度に全てのセクターが一緒に底をつくことはない、ってことだ。
何日間かに渡って、セクターごとに底をつけて行くことが多い。ボトムは、セクターごとのステージで起こるものだってことを、良く認識しておいて欲しい。

ボトムを見つける私の3つの指標をお教えしよう。

1.マーケットのセンチメントがMAXに悪くなること。しばしば、NYタイムスの一面に株価下落が大ニュースとして現れた時がその頂点だったりする。ビジネスセクションに載るレベルではない。これが本当に底が近い指標だ。
2.インベスターズインテリジェントサーベイ。毎週水曜日に、マネーマネージャーがどう市場を分析しているかの統計が出る。そこで誰もがネガティブになっている状態が、底に近づいた一つの指標だ。
3.ファンドが市場からお金を引き上げる量がどんどん増えているのが見えたら、それも重要な指標だ。市場からブルが誰もいなくなったとき、雪崩のような売りのクライマックスが起こる。売りのボリュームが加速度的に増え、価格の支えが崩壊する時、そこが最後の我慢どころだ。

ファンドがタオルを投げるまではボトムにならない。そういう雪崩的な売りのクライマックスは滅多に起こらない。これは数回に分かれる訳でなく、一度に押し寄せてくる売りのことだ。

売り玉が出尽くした後は、どんどん買いを入れていけばいいんだ。

今回のような売りのクライマックスは、滅多に出ない。だが、それは素晴らしい買い場だ。

大きな底は、なにかのきっかけが点火剤として必要だ。マーケットのセンチメントがどん底で、ブルの中のブルである人間までがベアになるほどセンチメントが悪くなる。そこへ、悪いニュースがどんどん市場に流れ込む。そしてそれが疫病のように市場に広がっていく。そしてなにもかもが投げ売りされてしまう。大底だ。

マーケットは不確実性をいやがる。投資家は、確実性が全く見えなくなった市場に狼狽する。何もかもが不確実な風に見える時、誰もがナーバスになるんだ。

そんなボトムを発見したとき、私は嬉々として買いに入るんだ。

結論:上に述べた3つの指標が現れたからといって、市場と同じように悲嘆に暮れていてはダメだ。相場の誰もがあきらめの気持ちをもったときこそ、あなたはあきらめてはいけないんだ。そこが底だからだ。あなただけがその煌めきを理解すべきなんだ。それが出来れば、怖い者無しで買いに入れる。その後はリラックスして相場が戻るのを眺めるだけで、大きな利益を手にすることが出来るんだ。


視聴者からの質問:
Q: 相場全体の底の話は今お聞きしましたが、個別の株の底を見つけるのも同様なんですか?
A: 個別株の底はまた別の話だ。マーケット全体の相場の底に関しては、どちらかというと心理的な問題が一番大きい。どれだけの人間がネガティブで、どれだけの人間がポジティブか、ということが市場の動きを理由づけるからね。個別の株の大幅な下落時には、様々な理由により、会社の純資産のレベルまで叩き売られることがある。だがそこで、時価総額よりも純資産の方が高いという状態まで行くと、マーケット自体が、そのおかしな状態に気付き、合理的な判断が働いて底にたどり着く。そういうプロセスは、相場全体のボトムとは違ったものなんだ。

Q: バリュー投資が好きで、ベンジャミングラハムの本を参考にしているんですが、その中で、会社の清算価値以下の株や、正味流動資産価値以下になってる株を勧めてるんですが、この考え方を、自分自身の投資戦略としてどのように落とし込んでいくべきでしょうか。
A: 私はグラハムが大好きで彼の本は全て読んだ口だ。だが、現在のマーケットでは、彼の理論は現実的ではなくなってしまった。彼の時代には、株価が清算価値以下になったりすることがあったが、今はそんなことは滅多に起こらない。そのレベルに落ちるまでに、会社が自社株買いをしたり、M&A目的で買いが入ったり、機関投資家もめざとく買いに入ってくる。だから、そのレベルまで買い場がくるのを待つことは出来ないんだ。

Q: Investers Business Daily紙をよく勧めてらっしゃって、とても有益な情報なんですが、ジムさんはあまりチャート派があまり好きじゃないようですが、このIBDは、チャートを使った分析が多くを占めていますが。
A: 私もIBDは非常に有益な情報だと思う。前にも話したけれど、インベストメントとトレードは違う種類のもので、トレードには規律とルールが必要だ。そして、トレーディングに関しては、IBDが提供するような規律は非常に有効だと思う。しかし、インベストメントに関しては別だ。チャート派は売りと判断する状態でも、ファンダメンタルで見た場合に、私なら買いに入るということは多々ある。だから、チャート派ではないが、それでもIBDの提供しているコンテンツやそれぞれの記事はとても素晴らしいものだ。

ーCM開けー

今までに、保有していた銘柄が、全く値動きがないままだったとか、突然大きな暴落にあってしまった、なんてことはなかったかい?

それらのことをどうやって避けるかをお教えしよう。

将来に起こりうることをきちんと予測出来れば、逃げ出すことも、買い増すことも可能だ。市場を先回りしてね。

さきほど底に関してお話をした。今度は、多分もっともビビってしまうパートかもしれない。相場の天井を見極める話だ。

誰も天井のことを話したがらない。金融関係のメディアでさえね。相場が上手くいってるときは、誰も天井のことには触れたくないのさ。特に上昇相場が形成されている途中では。相場に水を差すようなことは言いたくないんだ。

バイアンドホールドすべきだと人は言う。インデックスファンドを長期保有すべきだ、ってね。私自身は、バイアンドホールドを信じていない。バイアンドホームワークが重要だと信じている。

私がバイアンドホールドを毛嫌いする理由は、バイアンドホールド戦略が、相場がずっと上昇するという幻想を前提にして成り立ってるからだ。だから、天井を付けるという概念が無い。

バイアンドホールドを信じてS&Pインデックスに投資したまま2000年のクラッシュを経験した人は大変だったことだと思う。

でも、もし相場の天井を当てることが出来たなら、そこで売り逃げて大きな打撃を受けずに済んだだろう。

さて、天井とはどういうことなんだろうか。相場全体の株価があまりに高い状態で、そこから崩れて行く地点のことだ。

もし、相場の天井を超えて波乗りをすれば、上層相場の折角の利益を全て不意にしてしまうことだろう。まるで、2000年の相場のようにね。

これが、バイアンドホールドが上手く機能しない大きな理由だ。

今までに天井が来ない相場は一度も無い。それは歴史が証明している。

持ち株がビュンビュン値を上げてるとき、合理的でないレベルまでに達しているとき、頭の中では天井がくることを分かってるはずなんだ。売り抜けなければならないことも分かってるだろう。しかし、勝ち組の株を折角買ったというのに。相場はまだまだ上昇しそうなのに。そんな感情が邪魔をする。

しかし、キャッシュアウトすべきなんだ。自分自身に誠実にならねばならない時なんだ。だって、あなたがその株を買った時、いずれ天井が来ることを理解して買ったはずだからだ。だから、本当なら、天井の売り時を見極める努力をすべきなんだ。持ち続けることじゃなくね。

しかし、マーケットはそうじゃない。アナリストやブローカーにとって、『売り』という言葉は最も忌み嫌われる言葉だ。

ちょっとした調整だけだから心配しないで、とか。すぐに回復しますよ、と。明日になれば太陽はまた上ります、なんてね。しかし、天井を付けた後は、明日はやってこないんだ。

俺がGSで働き始めた頃、上司にこう聞いた。「ところで、どんな時に顧客に売りのアドバイスをするんですか?」。私は顧客に出口戦略を示したかったんだ。

上司は白いあご髭をさすりながらこう言った。「ダウングレードのレポートが出た時だ」。誰がダウングレードが出た後に売りたいと思うんだ。その時は既に株価が下がった後だ。

どうやって天井のサインを知るかだが、まず一つ目は、ベア派までもが、ベアであることを諦め、買い推奨に回ってくる時だ。ベア派が多数うろついてる状態の時は、まだまだ天井には遠い。アップグレードのレポートが続き、誰もが買い推奨をする状態になったら手仕舞うことを考えよう。モーメンタムが逆向きに動き始めた証拠なんだ。


なぜなら、ベアが居なくなった=売手が居なくなってしまうってことなんだ。傍観してたものでさえ居なくなってしまう状態だ。この株が良いと思ってる人が、既に買い上がってしまった状態だ。だから、高値で買ってくれる人が居なくなってしまう。そこが天井なんだ。

買い手が居なくなってしまえば、そこで天井が形成される。売却するタイミングなんだ。


個別株の天井を見付けるもう一つのサインは、競合の伸びだ。競合が個別の天井に関係するなんて信じられないかも知れないが。特に、その株に長い間付き合って来た場合は余計のことだけどね。だが、そんな時こそ客観的になって欲しい。

競合によって会社のビジネスが打撃を受けることを見抜く方法は、常に警戒しておくことなんだ。

利益額は常に最大の注意が必要だ。その株だけのホームワークじゃなく、業界全体をモニターしておかないといけない。あなたの持ち株を負かしてしまうかもしれない、マーケットシェアを奪おうとしている企業をチェックするんだ。一銘柄に付き週一時間のホームワークを欠かさないようにルールづけるのは、この競合の罠を見逃さないようにするためなんだ。それは、思っても見なかったところからやってくる場合があるからだ。ホームワークをしなかったなら、盲目的にその会社を信じ込んでしまうだろうからね。

相場の世界では保障出来ないことだらけだ。しかし、確実に保障出来るのは、もしホームワークを怠ったなら、利益を出し続けることは不可能だ、ということだ。

結論:天井のことを考えたくはないものだが、相場の天井は確実にやってくる。2つの指標がある。アナリストのレポートに注目し、業績予想がアップグレードばかりでブル一色のレベルになったときは売り。そして、競合の状況だ。アナリストのレポートはその会社の状況自体により注目し、競合のことはおろそかになるものだ。


視聴者からの質問:
Q: 充分なホームワークをし、将来の成長を予測して株を買ったのですが、すぐさま10%ダウンになり、また買い足したのですが、そこから10%下がってしまいました。こんなとき、どうすれば規律をキープしたままでいれるのでしょうか。
A: 考え方自体を変えねばならない。成長を信じれるちゃんとした株を見つけたとしても、あなたが買う値段から下がらないなんて思っちゃいけない。一度に全ての株を買いに入るべきじゃないんだ。マーケットは動いて行くからね。だから、一発で底値を得られるなんていう考えは思い上がりでしか無いんだ。私は、最初の自分の買値が間違ってる可能性を織り込んで株を複数回に分けて買う。最初が高値であっても、次の安値で買えたなら、それは逆により有り難い状況なんだ。下値で買う部分がふえるほど、同じ投下資金でのボリュームが増える訳だからね。

Q: 特定のセクターが特定の時期に下がるというような傾向はありますか?
A: ちょっと複雑なんだが。鉱物だとか鉄、アルミなんかのシクリカル株は、カレンダーイヤーの末に底を迎えることが多い。一月には、その年の見通しの発表があって、そこで大抵高値をつけてラリーするんで、2月に売り抜けることだ。それとハイテク株は一月のアウトルックの発表あたりでトップをつけ、7月に底をつけることが多い。一月はブルが多く、8月にはベアな状態になってることが多いんだ。

Q: いつも参考にしてホームワークもしています。買う株を決めたときの後のアクションについてなんですが、特に売値、出口戦略をどう決めるべきか教えてください。
A: 一番気をつけなければ行けないことは、強欲になりすぎては行けないということなんだ。相場の行き過ぎたラリーは、常に人々の欲望によって作り出される。だから私は、どんなに素晴らしい株であれ、合理的に状況を判断して、利益の乗っている間に利益確定をしていくことをお薦めしている。なぜなら、相場の天井を見つけるのは非常に難しいことだが、上昇局面で利益確定をすることは、容易いことだからだ。

ーCMをはさんでー
さて、相場の天井を見つける話の続きなんだが、利益の載った株の売り時を示す残りのシグナルをお教えしよう。

3. 会計処理の不正が発覚したとき。これは、どんな場合であれとにかくすぐに売るべきサインだ。例外は全く無しだ。あなたがその会社をどう思おうと、過去にどれだけ儲けさせてもらってようと関係ない。会計処理の不正=会社に問題があるということだ。数字の操作が違法だから、という倫理的な理由ではない。株価を支えるための数字が出せないからこそ、数字を操作しているからだ。

もちろん、不正会計をした会社が全てエンロンのような最後を辿るとは言わないが、もしエンロン事件で最初のニュースが出た時に株を全て売却していたら、確かに損を出したかもしれないが、その時点での株価は40ドルだったんだ。そしてゼロになってしまった。もしこのルールを冷徹に適用出来たなら、少なくとも資金の一部を回収することは可能だったんだ。

時にはその決断が間違いで利益を取り逃すこともあるかもしれない。だが、その決断が正しい場合の方がもっと多いんだ。

数字上のちょっとしたミステイクなだけだよ、なんて言い訳が出るかもしれないが、どんな場合でも売らねば成らない。このルールを無視して株を持ち続けていると、ポートフォリオのブラックホールになってしまうだろう。

ここで注意してもらいたいのは、ストックオプションのバックデートの問題は、会計操作とは違うものだということだ。これは、従業員に対しての、報酬ストラクチャーの問題なんだ。

ストックオプションのバックデートの問題は、会社の業績が悪いからと言って発生する問題ではないからだ。会社の業績が良い状態だからこそ、ストックを売るというよりは、良い値段で買いたいという意識が働いているからだ。

4. 企業の過剰な拡大。ウォールストリートは、M&Aや、短期間の急成長を有り難がる傾向がある。簡単に企業規模を拡大でき、業績も成長もアップするからね。だが、時にはそれが問題になることがある。企業規模が大きくなりすぎたり、あまりにも短期間に急成長してしまったため、マネージメントの限界を超えることがあるんだ。そういうサインが見られたら、売り抜けるべきだ。そんな状況を発見する優れもののフレーズがあるんだ。

マネージメントが「インテグレーションプロブレム」という言葉を発したら、直ぐさま逃げなければならない。

例えばリテールなら、店舗辺りの業績をチェックするんだ。新規出店の加速が既存点の売り上げを食ってしまうことがある。

リテールの他の例で言うと、飽和状態になってしまう時だ。ショップが全ての州に行き渡ってしまったら、そこがひとつの区切りになる。そこから先の成長の余白は少なくなってしまう。

成長率の鈍化は株価の長期に渡る下落、低迷を促す。

5.最後にお教えするサインは政府の介入だ。政府や州政府は、競合他社以上に企業にダメージを与えることが出来る。どうやって調べるかって? 新聞の1面をチェックすることだ。あるいはサーチエンジンを使って企業について情報を調べることだ。ビジネスセクションだけを見ていてもダメだ。政治の動きを追ってる訳ではないから。

視聴者からの質問:
Q: 相場の流れを予測するとき、エリオット波動論は使える理論でしょうか?
A: 実は80年代、私は彼のコースをコンスタントに聴いていた。彼の考え方はネガティブ寄りで、その考えに従ってたなら、取れるべき利益を逃していただろう。だから、私は彼の考えを取り入れることを捨てた。


市場で利益を得るためには、セクターローテーションのキーとなる、ビジネスサイクルに対する理解が、最大級に重要だ。どれくらい重要かって? 株価の動きの50%は、個々の会社じゃなくてセクターの状況によるってことを知ってるかい。

だから、旬のセクターを先回りして見つけることが出来るなら、それだけで大きな利益を得ることができるんだ。

その最たる理由は、ほとんどの大口のファンドマネージャーは、セクター指向の考え方を持って動いているからなんだ。そして、彼らが価格の支配権を持っている。

複雑な話じゃない。基本的に世の中には2種類の会社がある。

シクリカル銘柄は、FEDレートが低い景気上昇期には業績が上がる。そして経済後退の時には業績が悪化するんだ。景気上昇期にはこれらの株が買われ、景気後退期にはこれらの株は売られる。
それらのグループとしては、飛行機会社、自動車、原料、家電、重機などがあげられる。

それに対して長期成長株は、景気の上下に左右されにくい。例えば、General Mills, J&J, P&G
のようなユーティリティー銘柄だ。景気が悪いからといって、バンドエイドを買い控えることはしないからね。だから景気後退期にはこれらの株が買われるし、景気上昇期には売られる。

では、どのようにセクターローテーションを予測するかだが。

景気が上昇すると、FEDが利上げをする。景気のピークになったときに、シクリカル株を売り抜け、長期成長株をしこたま仕込むんだ。そして、景気がボトムになったとき、長期成長株からシクリカル株へと乗り換えるんだ。

この方法が実際は難しく、だからこそ利益を出せるのは、普通に考えると世の中の逆を行くように見える方法だからだ。

景気が良く、シクリカル株にとって良い状況であって、長期成長株にとっては最悪な状態のように見える時に長期成長株を買い、シクリカル株がどん底に落ち込む時にシクリカル株を買いに行く。それは、利益も落ちて、株価が一番割高に見える状態になったときなんだ。だから普通の人にとっては間違った行動をとっているように見える。しかし、その時がサイクルとしてそれぞれの種類の株をほぼ底値で買えるタイミングに成るんだ。

というのは、景気の方向が変わることで、選んだセクターが伸びてくることがわかっているからだ。

結論:景気の天井では、長期成長株でディフェンスに回り、景気の底ではシクリカル株で攻めに転じるんだ。

ーCM開けー

業績予想の修正が発表されるタイミングを予想する方法をお教えしよう。

どうやったら特定のセクターや特定の企業の業績が大きく動くことを事前に見つけられるかだが。

例えばリテールに関連する消費やサービスの企業なら、自分で、商品なりサービスの販売状況をチェックするんだ。店員に話を聞いたりしてね。一店舗でなく、複数の店舗で調べる必要がある。しかも定点観測的に、複数回に渡ってだ。

GSにいたとき、エアロビブームの時にリーボックを追いかけて、実際調べたものさ。この方法は足と時間を使う。しかし、もしあなたがリタイアしてたり時間を使えるのなら、是非実行してほしい。

実際に色々な店で突然ある商品が飛ぶように売れて行ってたなら、業績予想の上方修正が行われるのは間近なことが分かるだろう。

時間がない人にお薦めなのは、企業の支出のサイクルを見ることだ。例えば、ボーイングがたくさんの新規のオーダーを得たという情報を掴んだら、川下のサプライヤー企業の株を直ぐさま買うんだ。そして、アナリストがこれらの企業の上方修正をし、推奨銘柄にしてきたら、そこで手放すんだ。

セミコンダクター業界の成長が著しいなんてニュースがながれてきたら、製造のための装置を作る会社の株を先回りして買う。セミコンダクター会社自体の業績が発表される頃には、あなたの持ってるサプライヤーの業績の上方修正もされてくるだろう。電話会社でも同様だ。

そして大事なことは、アナリストがあなたが選んだ企業の上方修正をかけ、買い推奨した段階で必ず売り抜けるということだ。

さぁこれであなたもマーケットの予言者となるべき基礎知識を得たことだと思う。あとはその知識を利用し、ホームワークをこなして、市場平均を打ち負かすパフォーマンスをあげるんだ!

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2 件のコメント:

  1. このサイト、凄いですね。私、NY在住でして、毎晩11時にMad Moneyを流しながらネットサーフィン、という生活が何年も続いているのですが、こうして改めて日本語で読んでみると、ジムのパフォーマンスの中にも、含蓄のあるフレーズが実に多いことに気がつきます。やはり英語の聞き流しではダメだな・・・と思った次第です。早速ブックマークしました。毎日訪問しますので、是非続けてください。

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  2. >匿名さん
    NYは私の大好きな街なので、NYの方にも見てもらえてるのは嬉しいです。アメリカにいらっしゃったら、色々な情報があるのでいいですよね。私はタイなんですが、なかなか情報が入らないので、やはりネットに頼ってしまっています。ですのでこのポッドキャストが始まってすぐさま飛びつきました。

    実は私も英語で単に聞き流す派だったんですが、こうやって真剣に翻訳作業をする中で、ジムの言ってる言葉の中に凄く個人投資家にとって重要な言葉がいっぱい含まれているってことを、なおさらのこと思いました。やっぱり英語圏の人間ではないから、日本語にした方が理解しやすい、という感じで(英語の状態でもっと頭に入ってたらいいんですが、難しいです)。

    だから、ジョンスチュワートのあの攻撃の仕方は(業界全体に向けたものであれ)、あまりいい気持ちはしないものでした。コメント欄はジムをけなすのだらけでしたが、的外れな感じで、あの人たちはちゃんと聴いてないんだな、と。

    話が横にそれました。今後とも宜しくお願いします。

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