2009年4月4日土曜日

2009年4月3日(金): ジムクレイマー MAD MONEY





今日の株価終値:
Dow Industrials (.DJI) 8,017.59 △39.51 (+0.50%)
NASDAQ Composite (.IXIC) 1,621.87 △19.24 (+1.20%)

4週間前にこのゴージャスな、過去70年で一番のラリーが始まった時は誰も信じてなかった。
今日の失業率のひどさを見て、やはりまだみんな信じてない。4週間で24%の上昇があったにも関わらずだ。誰もが私をクレージーだと言ってる。

でもこれは本物だ!

誰もがこの上昇は偽物だと思ってる。騰がれば騰がるほど、センチメントはどんどんネガティブになってる。でも、現実にお金は投資に回って来てるんだ。

確かにここで「絶対買いだ!」と言うサインは出てない。でも、このラリーがすぐ止まってしまうとも思わない。

でも俺はこのラリーの信者だ。どう考えてもこのブル相場から離れることはない。みんな俺の頭がおかしいと思ってる。でも、信じないほうが頭がおかしいんだよ。

俺は1979年から株に関わってる。30年の経験が、俺に信頼性を与えてくれてる。

ここで俺が知ってる相場の底についてお話しよう。それは今起ってると思えることだがね。

相場の底ってのは、簡単には見つけられない。ブザーが鳴り響くように簡単には分からないものなんだ。

でも、相場の転換点っていうのは、一番まっくらな時に出てくるものさ。

誰もがそう気づくわけじゃない。
相場が底打ち傾向を見せたとき、否定派は「この上昇はただのショートカバーだ。見せかけだ」という。

でも、そんなのはただの戯言だ。相場の底はどんな時でもショートカバーから始まる。頭のいいヤツは先回りして下げ相場でショートする。そして、相場の転換期にはそのショートをカバーして買いに回って行くのさ。

今回の上昇は、ただ単にショートカバーだけじゃない。4半期ごとの買いがきちんと入ってきてるんだ。401Kのね。

今は「四半期決算が発表されるから待ちだ! 悪い決算が出るよ!」なんて言って買いを押さえてるヤツもいるが、今実際に株価が形成されてる決算内容は、第一四半期のものじゃない。マーケットは半年先を見てるんだ。だから今株を買う時は、半年先のことを予想して考慮しないといけない。第一四半期が悪いことなんて織り込み済みだ。そして、政府がやってる景気刺激策。これが効いて来てる。

住宅バブルが底を打つまで株価は底を打たない、なんてヤツもいる。でも、俺は今年の7月頭には住宅は底を打つと見ている。

「相場が底を打ったことを確認してから投資をするべきだ。いずれまた調整する時に手を出すべきだ」というヤツは、大きなチャンスを失うことになる。相場の底の時に勇気を出したものだけが大きな利益を手にするんだ。

もう一度言う。このラリーは本物だ。すぐに調整に入るってものじゃない。

これは1930年代の株価回復期以降で我々が経験するベストの復活相場なんだ。

今回は大恐慌時代とは違う。我々は大恐慌には突入しない。政府の対応自体が、まさにフーバーの時の逆をやってるからだ。

誰もが、政府の対策を「機能していない」と批判したりするが。実際のところはジワジワと効いて来てるんだ。ゼロ金利、時価会計をやめたことやTARPなどなど、全ての政策は、すぐに効果を現さない。これだけの問題を速攻でやっつけられるそんな武器なんて無い。昔ながらの、銅製のちっぽけな弾しか武器がないんだ。

プレデターと戦ってるみたいなもんだ。プレデター倒すのにどれだけの兵器が必要か考えてみな。政府は今それを精一杯やってるし、その効果は出つつある。じわじわと。

さしずめプレデターvs By Any Means Necessary (どんな手段を使っても) by Malcolm Xプランってところだ。

(テロップ:S&Pの4週間の上昇率は1938年7月以来の最高値)

だけど、上昇相場だと言っても、今すぐ買いに入るべきか? っていうと、それはNOだ!
(テロップで再度強調している!)

例えばリサーチインモーションは底値から69%も騰がってる。なんで(ブルマーケットだって信じてる)俺がこの期に及んで(そういう瀑上げの株を)売れっていうかっていえば、これから騰がるかもしれないが、底値からここまで上昇しているんだから、その利益をとって、パーティーを後にしても悪くはないってことなんだ。

ここでゲームプランだ。
今株を買ってなかった人々。今から買いに入ったのではもう遅い。ダウが6500を付けたとき、「ここからのダウンサイドは少ない」と言ったときに買いに入っておくべきだったんだ。
君らがすべきことは「俺は行動を誤った」ってことを頭に強く刻み付けることだ。今から買うのは高値を拾う可能性がある。

今株を持っている人。何度も言うがこのラリーは本物だ。底値から50%近く上げた株を持ってる人以外は持ち続けてても大丈夫だ。

楽に金儲けを出来るチャンスは既にすぎてしまったんだ。

視聴者からの質問:
Q: CMA Comerica 19.54
A: 売り推奨:この銀行はファンダメンタルがまだ良くない。特に地方銀行はまだまだダメ。地方銀行は全般的にお薦めしない。

Q: 石油にロングしたいが、ロングのETF、DXOとかどうですか?
A: DXOは詳しく調べてないが、USOは調べた。それとSKF(石油のウルトラショートETF)はジョークだ。市場から出て行くべき。パフォーマンスが悪すぎる。善良な一般投資家を騙して儲ける一番汚いやりくちの金融商品だ。
買うならインテグレーテッドな石油会社の株や、きちんとしたファンドを選ぶべきだ。

Q:クレジット市場の詳しい情報を得るのはどこで?
A: セントルイス連邦準備銀行のウェブサイトに多くの素晴らしい情報がある。
http://stlouisfed.org/default.cfm
それと、
http://realmoney.com
でも寄稿しているTony Creschenziは、この分野に関する、俺が知ってる最高のライターだ。
彼の記事をチェックして欲しい。

今週の投機株:
株価は、四半期ごとのレポートに現れてる企業の業績や、企業自体の内容だけで決まるものではなく、複雑な要素が絡み合って形成されてる。

今回の投機株は、普段やってるスモールキャップではない。なんとウォールマートだ!
今回の投機の理由はウォールマート自身の問題でなく、ワシントン(政府)の動きに対しての投機だ!


The Employee Free Choice Act、俗称Card-Checkという法案が今政府で議題に上がってる。
これは、労働組合を作るのをより簡単にする法案で、労働者の保護の名の下に作られようとしてる。

ウォールマートは、140万人の雇用がある。この法案が通ると、一発でウォールマートの利益を食ってしまうだろう。

この法案が出来れば、ユニオンはまっさきにこの会社を攻撃するだろうからね。それも、ものすごい勢いで。

この番組は株の番組で政治番組ではないが、政治の状況が株価に影響を与えることも多々あるんだ。

Citiグループが、この法案の情報が出たその日にウォールマートに大して、バイ→ホールドにしたのも、この法案が通った場合の影響力を懸念してのことだ。

今の失業率を怖々見てる人にとって、この法案が通ることはいいことなのか?
実際のところこの法案が通れば確実に失業率は上昇する。会社にとっての労働者のコストがアップする=雇用を減らさざるを得なくなるからだ。

俺自身、労働組合の存在自体は必要なものだと思ってる。だが、この法案は通すべきじゃない。特に株価に与える影響は大きい。株式市場に投資してる人間は反対すべきだ。

今回のゲームプレーはウォールマート(WMT)の買いだ。

俺はこの法案が通らない方に賭けてる。市場は、この法案が通るかどうかを見守って、まだ動きを見せてない。WMTに関しては、四半期の結果よりなにより、この法案の行方の方を心配してるんだ。だからこそ、この法案が廃案になったときの利益も大きいと思っている。

しかし、リスクもあることも覚悟して欲しい。

コーク(KO) vs ペプシ(PEP)
株価が上がるのには二つの理由がある。
一つは、一株あたり利益が上がること。
もう一つは、マルチプルが上昇することだ。

株価=1株利益xマルチプル

ペプシには、マルチプルエクスパンジョンする可能性がある。コモディティー価格が下がってること。売り上げシェアも高く、そして新商品開発に力を入れている。売り上げ、利益が不況下であっても安定していることを考えれば、マルチプルが上昇する可能性がある。アメリカにおいてはペプシはコーラに勝ったと言えるだろう。

視聴者からの質問:
Q: KOF Coca-Cola FEMSA 37.04
A: 買い推奨:ラテンアメリカは今後さらにマーケット拡大が見込まれる。
これはいいアイディアだ! コカコーラはいいブランドだ。

Q: 不況下ではファーストフード株がいいんでは?
A: ファーストフードというよりも、クオリティーサービスフードのマーケットが上だと思う。
レッドロブスターみたいな、アフォーダブルだけれどもクオリティーの高いもの。ヴァリューのあるもの。マクドナルドは好きだが、今はクオリティーの高いものでアフォーダブルなもののほうが分があると思う。

Lightning Round:(視聴者からの銘柄についての質問に電光石火で判断を下すコーナー)
Q: BTU Peabody Energy 28.52
A: Go!

Q: NFLX Netflix 43.10
A: これはウィナーだ。買い!

Q: AUY Yamana Gold 8.48
A: ゴールド関連ならEGOの方がいい。ダウングレードを受けて下がってるところところへスイッチ。

Q: CBS CBS Corp. 4.80 ほんとにデプレッションオーバーなら買いじゃないの?
A: CBSはローカルの広告に売り上げを左右されるからなぁ。。。でも、4ドルレベルの株に投機するって意味なら賭けてみてもいいんじゃないかな。否定はしないよ。
ただ、正直色んなセクターがあるが、TV&ラジオ業界は俺の得意じゃない業界だし、妙味もあまりない。投機するというは構わないが、個人的にはお薦めしない。

Q: HOG Harley Davidson 16.56
A: これはありだ! バフェットも買ってし、チャートも奇麗だ。でも、自動車バイク関連で投機なら、俺ならフォードに賭ける。

Q: HPY heartland Payment 7.70
A: ウエスタンユニオンでも、VISAでもマスターカードでもいいじゃないか。HPYよりも可能性がある。VISAにすべきだ!

(今週の放送の中ダイジェストの中から)
・バーナンキは、あらゆる手段を使って戦ってる。24のジャックバウワーでさえも止めることが出来ないレベルでだ。
・恐慌は終わった!
・バーナンキもガイトナーも、みんなブル派の味方だ!

Eメールの質問:
Q: SHLD Sears Holdings Corp.
A: もし、住宅価格が7月には底付きし、ちゃんと戻ってくると思うなら、この株を持ち続けるのも悪くないと思う。バランスシートもそんなに酷くないし、クレジットラインもソリッドだ。

Q: 今回の上昇相場に乗り遅れた人間にとっての買いのタイミングはいつ?
A: 今は既にブルマーケットだからブルマーケットのルールを適用する。高値から3-5%の下げが出初めたタイミングの後、高値からトータルで5-8%の下げになった段階が、調整時の買いのタイミングだ。

Q: telexはどう? (テレコミニケーション関連はどうという意味か?)
A: telexは好きじゃない。バランスシートが悪い。Manitoba(MBT)もそうだ。
デプレッションは終わったがリセッションは終わってない。だからバランスシートの悪い企業はこれからも下落する。Lincoln National(LNC)を推奨しない理由もバランスシートの同じ問題だ。

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