Dow Industrials (.DJI) 8,016.95 ▼8.05 (-0.10%) Volume 274M
NASDAQ Composite (.IXIC) 1,673.81 ▼5.60 (-0.33%) Volume 1,997M
もし、あなたがウォールストリートがどうやって株価の動きを操作してるのかを分かっていなかったとしたら、大損をさせられたかもしれない。
その例として、医薬品大企業のBMYと住宅金物関連+酒類販売のFOのヘッドラインニュースに注目して欲しい。
BMY: 第一四半期の結果は素晴らしいものだった! キーフランチャイズも製品もトップレベルで手堅い成長を上げており、3.15%の配当も含め、素晴らしい成績だ。
さて、FOはどうだったろうか。
FO: 第一四半期は厳しいものになるという予想を出した。そして、配当を57%も削減すると発表。
そして何が起こっただろうか。
ウォールストリートは、また重力を無視するかのごとき動きをした。
FOは、3.89%も値を上げた。だがBMYはこてんぱんにやられた。-4.33%もの下落だ。
信じられないだろう? 全く逆が起こると思ったんじゃないかな。私が株を始めた時、そう思ってたようにね。
私はこのようなおかしな現象を何度となく見てきている。そして、このことを投資を始めた時に理解していたなら、大きなお金を失わずにすんだだろうに、と思い返すものさ。
今我々はちょうど経済の転換期に来ている。今日のリポートで消費者信頼指数が12ポイントも上昇した。
リッチモンドのFEDとダラスのFEDの速報で、州内のビジネス活動が、実際に増えてきていることを発表した。私はいつも地方のFEDのレポートを読んでる。これらは非常に有益なものだ。実際に、各地でビジネス活動の改善が見られているんだ。信じたくないことかもしれないし、無視したいことかもしれないけれど、現実に事態は好転しているんだ。
そして、経済の風向きが変わった時には、BMYのような会社の株を持っていてはいけないんだ。例えどれだけ業績が良かったとしてもね(実際素晴らしかったけれど)。そして、鼻をつまみながらでも、FOのような株を買うべきなんだ。たとえ今回みたく大きく配当を減らされたとしてもだ。
株価は未来を見て値付けされてる。だから、過去がどんなに素晴らしくても全く意味がないものなんだ。
個別企業の業績ではなく、マクロ経済がどうなるかが大きな影響を与えているんだ。
私はこれからもこのポイントを何度もお話しするだろう。とくに、今のような状況下では、企業に関するニュースのヘッドラインが、株の銘柄選択に関して誤った判断を導く可能性が高いからだ。
視聴者のみんなには、こんなヘッドラインに惑わされないようにして欲しいんだ。ヘッドラインは嘘をついてる。心配するのをやめよう。市場が狂ってる訳じゃないんだ。ニュースの方が間違ってるんだ。なぜなら、会社の現時点での状況のみを語るだけで、経済全体を含め、今後株価がどういう方向になるかということは記されない。だが、ウォールストリートの論理は違う部分で動いているんだ。
私はそのことを皆さんにお伝えしてお手伝いしたいと思っている。
私の判断はこうだ。BMYの決算は確かに良かったが、それだけだ。FOは、予想されたよりも悪くない決算だったんだ。それ以上に、マクロ経済に影響する指標が良くなっていることを見て、市場はそれに対しての動きを見せてきているんだ。だから、今回の株の動きは、ウォールストリートの心理としては当たり前のことだし、実際、大口投資家を含めた市場が、本気で経済の回復基調を認めだしたというサインになったと思っている。
いいニュースが出た時が買い時という訳ではないんだ。FOが、配当を元に戻したり、好決算を出したというニュースがいずれ出るだろう。だがその時は、既に株価は高い水準まで上がってしまった後になるだろう。
一般的な個人投資家にとっては、今回の例は、納得がいかないし理解しがたいことかもしれないが、それは、あなたが正しい見方をしていないってことなんだ。株価は6−9ヶ月先を見ている。
BMYは、一年間のトータルリターンで、-6%の下げでしかない。これは、市場平均よりずっと良いリターンだ。FOは、ミスフォーチュンブランドと読んでいいくらい、一年間のトータルリターン-42%という結果になっている。市場平均よりもずっと悪い。
マクロの経済が転換期を迎えている今、この状況がちょうど逆転しつつあるということを市場は見ているんだ。
私がヘッジファンドをやって時は、常に”ワールドビュー”ということを心がけていた。今から6−9ヶ月後に、世界の経済はどうなっているのかを考えていたんだ。株価は常に未来を予想して値段付けされるからだ。
私が去年、住宅市場の底打ちを、今年6月末だと予測したのも、ワールドビューを考えてのことだ。住宅市場の底打ちが起こることが近いとすれば、FOが酷い決算を出すことが発表されたあとでも株価が上昇することに納得がいくだろう。そして、将来の経済状況を予想することは非常に重要なんだ。
機関投資家は、会社の現状を対して気にはしない。それよりも、今後6−9ヶ月後にどうなってるかをこそ投資判断の材料とする。
6−9ヶ月後には、FOはずっと良い状況になるだろう。だがBMYは、今と変わらない状況だろうからね。
経済が上昇局面になるとき、市場は、もっとも良くなると思われる銘柄を評価する。現在の良い業績の数字を評価するのではなく。そして、もっとも良くなると思われるものを、実際の業績結果が現れるずっと前に評価するんだ。なぜなら、市場は将来の予測をこそ重要視するからだ。過去の実績でなく。
だからあなたも、現状の業績に左右されず、将来の業績を予想して、先回りして銘柄を選定すべきなんだ。
視聴者からの質問:
Q: ショート筋に対してアップティックルールが意味をなすなら、ロング筋に対して、ダウンティックルールを設けるのがいいんじゃないですか?
A: 意図的に株価を上昇させること自体は調査する必要があるかもしれないが、基本的に、株価が上昇することに関しては、悪いことではないので、規制する意味が無い。ただダウンサイドに対しては、必要以上に相場を壊すやからがいるので、相場を守るためにも規制は必要だ。
Q: 地方のFEDのレポートを見ると、リッチモンドやダラスは確かに良いですが、NYや他の州では悪いレポートが出ていて、単純に判断しかねる状態だと思うのですが。
A: 素晴らしい質問だ。私が大事にしていることは、少数の地方ではあって、実際にビジネスが好調になってきたという証拠が出始めてきたということだ。今までは全てネガティブだったからね。だから、一部であれ、好調な地域が出てくることが、市場回復が始まったという明白なサインだと考えているんだ。そして、ポジティブなサインが出てきたということが、将来を予想する市場にとっては重要なことなんだ。
Q: 私は短期トレーダーです。豚インフルエンザのニュースに絡み、原油は下落するんじゃないかと予想してるんですが、どう思われますか。
A: 私はチャート派じゃないんで、ファンダメンタルな面で見ているが、原油の需要自体は引き続き現状維持だと思うし、供給面では、採掘を取りやめているところや、メキシコからの供給が増えない可能性も含め、需要自体が増えている訳ではない。だから、需給レベルで判断するに、そんなに値を下げることはないんじゃないかと思っている。だが、短期でどうなるかは分からない部分があるので、ご自分で判断して欲しい。
ーCM開けー
CEOインタビュー:
住宅市場が、今の経済にとって一番重要な問題だ。住宅市場が安定し、そして回復すれば、相場に好循環が生まれてくるだろう。今までの悪循環の要因は、住宅市場の下落から、住宅ローン資産の毀損という形で広がっていたからね。
私はこの6月末に住宅市場は底打ちすると予測している。これに関する確認作業は非常に大切だ。
まず価格から。今日ケースシラー指数の発表があった。25ヶ月で初めて、下落しなかった。ナショナルミディアムホームプライスは、過去2ヶ月上昇している。ホームオーナー空室率は、8年第四四半期の2.9%下落から、9年第一四半期は2.7%下落とスピードを若干緩めている。これは2006年後半レベルと同じになっている。
これらのサインは、市場が以前より確実に良くなっていることを示す証拠だと思うし、メディアで報道されるよりずっと良いレベルだ。
だが、住宅市場の底を確かめるのに最も重要なのは、この国で一番酷く住宅バブルが弾けた地域のことを調べることだろう。カリフォルニアやフロリダだ。
カリフォルニアでは、3月の新規建築申請数が47%下落しているが、全国平均は48%だ。そして、先週の放送のCEOインタビューで、TOLL BROS のRobert氏は、カリフォルニアの底打ちが近いようだし、その他の地区も大きくばらついてるわけではない、というコメントをしてくれていた。
声を大にして言わねばならないんだが、あの放送の後、番組に関する記事をしらみつぶしに調べたが、誰も彼のコメントにかんして注意を全く払ってくれていなかった。
さて、フロリダについてはどうだろう。フロリダも新規建築申請数が47%ダウン。しかし、全国平均よりは良い結果だ。失業率は2月に9.4%。カリフォルニアよりはましだが、全国平均と比べれば未だ多い数字だ。
私は住宅のプロではない。そこで、今日は少々イレギュラーなことなんだが、フロリダで住宅を造る、上場企業ではない、プライベートカンパニーのCEOに、住宅事情についてお話を伺おうと思う。
ICI HOMES. 全米でも最大規模の住宅建築に関するプライベート企業だ。そしてフロリダを拠点としている。
プライベート企業なので、株価に気兼ねをすることなく、忌憚なき現状を話して戴けると期待している。
Jim: 小耳にはさんだんですが、この4月の売り上げは、2006年の4月以来でもっとも大きなものだったとか、本当ですか!
Mori Hossini: はい。有り難いことに本当です。
J: 信じられない! 巷では、住宅市場に関するネガティブなニュースばかりなのに、凄い話ですね!
M: 私どものところでは、2月は住宅価格に下げ止まりました。住宅建設業の株価を見ても、2月に底打ちしています。2001年にも同様に株価の底値と同時期に住宅価格は下げ止まっていました。
J: もう少し具体的に話して戴けますか。
M: 4月で、80件の住宅が売れました。
J: 他の住宅建築会社も同様じゃないですか。
M: はい、他の会社も同様な業績です。
J: なぜ、巷のニュースは住宅市場はまだまだ底打ちしないというのでしょうか。現に今私が、この国で最も打撃を受けた地域のCEOであるあなたの口から、2月を境に住宅市場は好転しているという話をお聞きしているにも関わらず。
M: メディアは基本的に将来を予想したがっているから、違う意見を述べるのでしょう。私自身、現時点が底だと言うつもりはありませんが、少なくとも市場は大きく改善してきているというのを実感しています。
J: この現象は、価格が下がってお買い得感が出たからでしょうか。それとも、住宅ローンの利率が下がったことが影響しているんでしょうか。
M: ファーストタイムバイヤーへの支援策などから、賃貸よりも、購入にメリットがあると感じる人が増えたと言えるでしょう。
J: そのポイントは非常に重要だと思います! 評論家は誰も取り上げていませんが、おっしゃる通り、現在、賃貸よりも買う方が安い状況になっている、ということは大きな購買意欲となっていると思います。
M: 私たちはセールス資料で、当社から家を買えば、年間9000ドルで、賃貸だと13000ドルという比較を出しています。そして、ミニマム3%のインフレーションを考えると、さらにお得だと思います。
J: 私の、6月末、住宅市場底打ち宣言は馬鹿げていると思いますか?
M: 6月末かもしれないし、9月末かもしれませんが、底は確実に近づいていると思います。
J: ありがとうございました。
私はこのお話をきいて、ますます6月末ボトム説を確信している。
ーCM開けー
OFF THE CHART:
私はファンダメンタルを重視するが、機関投資家はチャートを投資の判断とすることがある。だからチャートも無視出来ない。そして今日の題目はこれだ。
YUM Yum! Brands 33.81
タコベル、ピザハット、KFCを傘下にする会社だ。ファンダメンタルはもちろん素晴らしい。だが、チャートは私の意見と反対を述べている。
チャート派の分析では、この株はここからかなりの下げを打つだろうというんだ。チャート派は今は買い時でないといい、私は今が買い時だと思っている。
チャート派の同僚は、BACの底を当てた男だし、彼の意見には耳を傾けるべき点があると思っている。だから、この株に投資する際のダウンサイドのリスクについて、チャートで考えてみよう。
彼はチャートを見て、YUMはここからのアップサイドは少なく、逆に結構な下げとなる可能性を見ている。なぜなら買い手が買い疲れていることが、見受けられるからだ。アップトレンドラインとその後のダウントレンドラインを見て、上値抵抗線があるため、そのレベルにまで株価が上昇すると、チャート派は、一旦売りに走ることになると予想されるんだ。そして、現状抵抗線レベルにまで達しているので、ここからの上値は無く、ダウントレンドに従えば下がる可能性が高いというわけなんだ。
そして、ダウンサイドを予測するさらなる理由はTDセットアップだ。9週間ごとのモーメンタムがチャートから見受けられていて、今回のラリーは現在7週目だが、過去のチャートを見る限り、9週目のレベルでは下げに転じている。これが彼の分析の要素になているんだ。
私がこの説明を受けた時、びっくりした。確かに9週ごとに動きが出ている!
だがしかし、ファンダメンタリストの私は、それでもこの株は買い時だと思っている。素晴らしい決算を出したし、景気回復期において、株価はさらに上を目指すと思っているんだ。レストラン業界自体が旬の業界になってるし、YUMはその中でもベストだからね。
景気後退局面の間に、中小企業は大きなダメージを負っている。だからこそ、大企業のYUMには、さらなる飛躍のチャンスがあるんだ。競争の激化で、勝者と敗者がはっきりする状況であり、この企業はまさに勝者だからだ。
グローバルプレーヤーで、二桁成長を続けている。この成長率こそ市場を大きく引きつけるものだ。
素晴らしいバランスシートとキャッシュフローはもちろん、業界をリードする利益率。中国へも大きく投資を続けている。そして中国関連で、利益の30%、成長の50%を獲得しているんだ。
結論:ここからの若干の調整はある可能性は確かにある。しかし、私はリスクを取ってでも、この株に投資する。なぜなら、まだまだ高成長を続ける企業だからだ。そして、チャート派が間違っていることを示してくれると思っている。
視聴者からの質問:
Q: KFCの新商品はめちゃくちゃ美味しいです。早くから並んだのに売り切れだったし、女性もたくさんかってます。試してください!
A: 生の市場情報ありがとう。でも、質問は????
Q: KO と MCDを持ってるんですが、どちらも食品関連なので、分散出来てないし、どちらかを売った方がいいかと思ってるんですが、なかなかタイミングも計れず、どうしたものでしょうか?
A: ポートフォリオとしてじゃなく、企業として見てみようか。確かにどちらも似たような株価の動きをしている。どちらを取るかと言えば、MCDを取る。というのは、成長性がMCDの方が高いからだ。だから、KOを売りで、MCDをホールドは正しい選択だと思う。
Lightning Round:
Q: BCSI Blue Coat System 13.56
A: 私はウェブインフラ銘柄と名付けてるんだが、この手の銘柄は思ったほど伸びが無い。私なら買わない。
Q: CSTR Coinsar 32.19
A: 十分値を上げた。ここらで売りでいいだろう。
Q: WMB The Williams Cos 13.14
A: ナチュラルガスの価格は低いし、ここの配当も低い。同一セクターなら、高配当のEPDの方がいい。売り。
Q: KSU Kansas City So. 14.91
A: UNPの方がいい。UNPを買い!
Q: BWLD Buffalo Wild Wings 38.42
A: レストラン業界で2番目に熱心に研究した銘柄だ。CEOは素晴らしい。だが、今は株価が充分上げたところだ。利益確定していい時だと思う。
Q: HON Honeywell 29.54
A: 30ドル以下の今の株価は非常にお買い得だ。今後の成長も多いに期待されるし、長く持っておきたい株だ。買い!
MAD MAIL:
Q: どうして、LRCX Lam Research が、四半期決算を、予想を下回る結果で出したにも関わらず、市場が下げてる中で7%もの上昇を示したのでしょう。しかも、通常の2倍の出来高で。
A: 今日最初に話したことと同じ意味を持つ株価の動きなんだが、セミコン業界が回復期にあるので、セミコン装置業界も先回りして買われているんだ。
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