2009年4月9日木曜日

2009年4月8日(水): ジムクレイマー MAD MONEY





今日の株価終値:
Dow Industrials (.DJI) 7,837.11 △47.55 (+0.61%)
NASDAQ Composite (.IXIC) 1,590.66 △29.05 (+1.86%)

1000回目のショーにようこそ! 視聴者の皆さんのお陰で、この番組を1000回にも渡って続けて来れたことに感謝しています。

今日みたいにマーケットが上昇するためには、市場の中に、良いニュースの”瞬き”みたいなものが現れることが必要だ。今日はたくさんそういう”瞬き”がたくさんあった。住宅関連のCTXやPHMの結果や値動きはその例だ。キャパシティーの低下、住宅着工数の減少、供給が減少している。私自身は前から言っているように、やはり6月末に住宅市場は底打ちすると考えてる。不動産業界の人間には思いっきり馬鹿にされているコールだがね。

何が起ってるか分かるかい? 資本主義のダイナミズムが静かに胎動してきているんだ。
BBBYは今日24%も値を上げてる。世の女性の動きは、瞬きをしてるだけでなく、目を見開き始めてるんだ。

資本主義は動きを見せてるんだ。商売敵のサーキットシティーの破綻の様子を受けて、ベストバイはまた値を上げて来ている。

外食産業にもいい決算を出しているのがある。Ruby Tuesday RTは54.5%アップだ。多くのレストランが潰れ、業界が淘汰されていってる中で勝ち組が出て来ている。

投資の判断において、これらの”瞬き”をウマく利用すべきかって? もちろんそうだ。ただし、そこには注意が必要だ。
 
1000回記念だ。今日は特別に『個人投資家を苦しめる10の災い』についてお教えしよう。
なぜなら、私自身が30年の投資生活の中で、実際に陥った過ちだし、そこから何かを学んで来たからだ。ぜひ私のペイン=痛みを、あなたのゲイン=利益にして欲しい。

『個人投資家を苦しめる10の災い』
災いその1. 自分のした決断に凝り固まって変化に対応出来ない。
イナゴの群れが家を壊してしまうように、変化を望まない気持ちがあなたのポートフォリオを破壊してしまうだろう。例えばダウが6500を付けたとき、ベアという決断を引きずっていたなら、一ヶ月で20%以上儲けを手にする機会を失ったことだろう。変化に柔軟に対応するということは非常に大切なことなんだ。

災いその2. キャッシュポジションを持たず、常に全てを突っ込んでしまう。
この災いがどれだけ人を苦しめるかは計り知れない。キャッシュポジションを持つことは何も恥ずかしいことじゃないんだ。実際、常にサイドラインにキャッシュを残しておくべきだ。
私が10月6日に撤退指令を出したとき、全てをキャッシュにしていればどうだったろう。
どんな時も株に投資しておくべき、なんて考えは災難の原因以外のなにものでもない。

災いその3. 市場は効率的だから、最終的には誰も市場平均を打ち負かせない。だからインデックスファンドでかまわない。
どっかの学者さんたちはそんな戯言を言うが、人は市場平均を打ち負かすことが出来る、この俺が生きた証だ! ナンセンスな話だ。でも、始める前にあきらめてたら、決して市場を打ち負かすことは出来ない。

災いその4. 絶望や失敗、悲嘆の中で、目の前にある絶好の機会を見ることが出来なくなってしまう。
ダウが6500になったとき、人々は絶望に浸ってしまった。でもその瞬間こそが、絶好の買い場だったんだ。あのとき、多くの人は、ここからのダウンサイドはミニマムだと言っても、目をとじ、耳を塞いでその機会をつかむことが出来なくなっていた。

人々が希望を失い絶望の底にたどり着いた時こそが、いつも絶好の買い場となるんだ。

災いその5. 不意の損失に大しての心構え、準備をしていない。
避けられない損失というのもある。しかし、痛みに耐えるんだ。損失が出たからといって、そこで投資をあきらめてしまわないことだ。

災いその6. 適切な利益確定を出来ない
せっかく利益の乗った株でも、強欲になりすぎて、利益を確定するチャンスを失うことがある。確定するまでは本当の利益じゃないんだ。売るべきときにきっちりと売り抜けるべきだ。

災いその7. 相場の底と天井を当てたがる。
誰も確実に相場の底や天井を当てることは出来ない。そんな願望を持ってること自体が、俺に言わせれば傲慢な考えだ。売り場にしろ買い場にしろ、複数回に分けて取引すべきだ。

災いその8. ペニーストックや、一桁の値を付けるストックが割安だと信じてる。
価格には全て理由がある。なんの問題もない優れた企業の株式が10ドル以下になることなんてない! 額面上安く見える株だからといっても、その株のダウンサイドは100%。どの企業の株も、株式自体に対した価値はない。ただの紙切れに成る可能性があるものだ。

災いその9. あまりにナイーブで、人の話を額面通り素直に信じてしまう。
証券会社やマネーマネージャー、企業のCEOの話なんかを額面通りに受け止めちゃいけない。
人の意見に従う方が簡単に思えるが、これらの人々はそれぞれの思惑をもっているんだ。
だから人の意見を額面通りに受け取っては行けない。投資に関して最も重要なことは、自分でホームワークをする、ということだ。
私自身も人の話を真に受けて失敗ことがある。でも、失敗から学ぶことが重要だ。自分でホームワークをすること!

災いその10. どんな時でもバイアンドホールド。
これが最悪の災いだ。優良な株を買って永遠に持ち続けることが利益を生むなんて神話は嘘なんだ。怠け者にとっては居心地のいいスタンスだけれどね。でも、この投資ってゲームは怠け者が戦う場所じゃない。ホームワークをきっちりと行うものだけが勝っていけるゲームだ。

これら10箇条の災いを避けることによって、あなたのポートフォリオはより大きくなり利益を上げることだろうし、ロスも防げることだろう。

視聴者からの質問:
Q: GILD Gilead Schience 47.39 を買いたい。いつ買いに入ればいい?
A: ヘルスケアに関連し、エイズ関連に対して大統領が動きを見せるという話がある。この会社はHIV+の人の薬を提供している。心不全のトリートメントもある。バイオ医療銘柄自体まだ動意づいていない。今すぐ買いに入っていい。

Q: 失業率も上がって居る中、教育関連の株がいいんじゃないかと思うんですがおすすめは? また、ここ最近IPOが無かったですが、この度IPOするロゼッタストーンはどう思いますか?
A: IPOが無かった昨今、このIPOは絶対成功させるつもりだろう。だから、オファープライスで購入するのはいいアイディアだと思う。でも、市場に出た後で買うのはリスクがある。

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投資っていうのは、一般常識に基づいてるものだけじゃない。時には、本当に突飛なアイディアが意味を持つことがあるんだ。だから私がここにいる。

パッと見、馬鹿げたアイディアだからって見過ごすのは簡単だ。他人が、頭がおかしい、とかこんなの売れっこない! とか、酷いときには学術的な意見で大否定されたりすることがあったりしても、市場は馬鹿じゃない。時として、もっとも愚かに見える投資が、最も簡単に大きな利益をあげる投資と成ることがあるんだ。

例えばEMR Emerson Electric Co.。
インダストリアル関連の株。単価も高いため、もともとリセッション時には業績が悪くなる株だったが。昨日、決算発表があり、最悪の決算だった。将来の見通しも、さらに悪くなるというアナウンス、何も買う要素はない。それどころか、これだけの悪い決算に悪い将来予測なら、株価は大きく下げても全くおかしくない。少なくとも5%-10%くらいは下がっていいレベルだった。

だが実際は、株価は全く反応しなかった。

アブノーマルなことが起ったんだ!

最悪の発表がなされても、株価が全く動かない! これこそ、あなたが勝者を手にした瞬間だ! これが株の底値で、下値はない! こういう状況は、素晴らしい獲物を見つけたってことだ。

アナリストは逆のことを言う。最悪だ! 売りだ! と。私はあなたの投資のコーチだ。あなたの株の取引のコミッションを目当てにしてる人間ではない。アナリストには、彼らの思惑がある。ブローカーはあなたに取引を数多くして欲しい。アナリストの言葉を、額面通りに受け取ってはいけないんだ。

その他にも私がこの株を好きな理由はある。株価が大幅に下がったお陰で、図らずも高配当の株になっていっているからだ。2010年の予想では4.4%の配当予想だ。

もともとは株価が高かったから、配当の利回りも高くなかった。しかし、このベアマーケットで値を下げ、ボトムまで到達してしまったものだから、配当利回りも上がってきたという訳さ。


歴史的に見れば、株式投資から得られる利益の40%が配当からのものだ。だから、高配当の銘柄は非常に大事だ。

重要なのは、もしどんなネガティブなニュースでも株価が反応せず、下げを伴わない状態になったときは、その株のボトムが来たってことなんだ。もし、将来その企業が業績を回復させる見込みがあり、ファンダメンタルで投資判断に耐える企業であるなら、例え悪いニュースだらけでも、ボトムにたどり着いた際は確実に買いだってことだ。特に突発的に高配当になったときには!

NYX NYSE Euronext, Inc. CEO Duncan Niederauerインタビュー:
過去には100ドルを付けたこの株は、今や20ドル以下と大きく下げトレンドで動いて来ている。ブランドネームは凄いが、復活はあるのか。ここから買いに入るに値する株なのか。CEOに話を聞いてみよう。

6%の高配当だったが、キープ出来ないなら、今の高配当はただの罠になってしまう。
NYXには8000の会社が上場しており、その市場は世界の株式市場の40%のボリュームをカバーしている。この会社は大型M&Aを積極的に続けて行っており、その増加分の収入は会社にとって良いものの筈だ。しかし、いつそれらの収入が現実かするのかまだ分からない。
マーケットシェアでは苦戦しているが(先々月13.9%→先月17.4%と増加中)、ボリュームも、マージンも大きい。NYXのUSキャッシュプロダクトに関して、3月のデイリーボリュームは、前年比で24.9%アップだ。果たしてこのもーメンタムが続くのだろうか。

また、懸念事項もある。アップティックルールの復活をどういう形にするのか。今の状態は、ショート系ETFの台頭等もあり、マーケットに不健全な影響を与えているのだ。

さて、このあたりの話を聞いて見ることにしよう。

Duncan(以下D):1000回放送おめでとう!


Jim(以下J):どうもありがとう。さて、株価は19ドル台にまで下がってしまった。M&Aから上がってくる収入はまだ先なことも分かってるし、現在のビジネス環境が大変なのもわかってるが、この高配当を維持してもらえますか?

D:2009年に関しては、配当を変更する予定はありません。業界全体に冬の時代ではありますが、株主の方に、会社として正しいシグナルを示していくため、配当のレベルは維持します。

J:この会社の評価をする軸として、キャッシュマーケット取引のボリュームの推移だけを見て判断されていますが、これは妥当と思われますか?
D:3、4年前はそれが正しかったと思いますが、2つの大きなM&Aもやってきましたし、会社も様々な分野に分かれて来ています。だから、キャッシュマーケットボリュームのみで我が社を判断して戴くだけでなく、オプションやデリバティブの分野も含めて見て戴く必要があると思います。

J:個人投資家にとって大きな関心は、アップティックルールに関してです。相場の秩序を回復するために、過去と同じシステムに戻すべきだと思いますが、どうなっているんでしょうか?
D:アナウンスしたように、5つの案を考慮しているところです。すくなくとも何らかのルールを作る予定です。全く元通りにするか、違う方法をとるかはまだ決まっていませんが。
J:どの方法を考えてられるんですか。前と同じか違う方法か。
D:最も簡単な方法は、元の方法に戻すことです。が、私自身は、違う方法になると思っています。
(クレイマー大きなため息)
D:話を聞いてください。案の中には、元のルール以上に厳しいものもあります。また、タイムフレームをどうするかの議論もありますが、私は、シンプルなルールにするため、どんな時でも適用されるルールにすべきだと思ってます。
J:アップティックルールが再開されると、SKFのような、ショートにレバレッジをかけるような商品はなりたたなくなりますよね。だいたい、これらの商品が現在、株価の下落圧力を増やす役割を果たしている訳で、市場から消した方がいいんでは。
D:おっしゃる通り、ルールが適用されれば、ショートのETF等は、現状のままでは機能しなくなるでしょう。変更や、再設計が必要になると思います。キャンセルというのもあり得るかもしれません。ただ、その話は、アップティックルール自体の改正が終わってからだと思います。まずは、ルール改正により、市場の信頼を取り戻すのが先ですから。
とにかく、現在市場はファンダメンタルよりも心理面で動いてしまっているところがありますが、視聴者の皆様のような個人投資家にとっても、信頼に足る市場であることが重要です。そのためには、ルールが適用されるような、何らかの処置が必要です。とにかく、フェアな市場であるように努力をしているところです。
J:このルールが適用されることによって、機関投資家からの売買のボリュームが減るということは考えられませんか。企業としては、ボリューム自体が減る可能性があるルールをすることに関してどのように思われますか?
D:ボリュームが減るとは思いません。また、大事なことは、我々は世界最大の市場運営者であり、ロングランで、どんなことであれ、市場をよりフェアで品位を持ち、効率的にしてくれるものは、取り入れていくべきだということです。
J:ダンカンCEOどうも有り難うございました。

個人投資家が食い物にされないよう、アップティックルールを適用することは非常に重要なことだと思います。

Lightning Round:
Q: PWR Quanta Services 21.55
A: オバマ関連株に関しては議会を通らなかったり等でなかなか目が出てないのもあるが、この会社自体はいい会社だ。ダウンサイドは少ないと思う。ホールドでいい。

Q: FSLR First Solar 135.50
A: オイルが80ドル以上か、政府の予算が通らないとこの株は上がらない。今のところ、停滞してる株だ。売りだ。

(ペンシルバニアイーグルスのコーチから祝電が入り、狂喜するクレイマー)

Q: SHPGY Shire Plc 36.31
A: デプレッション出てリセッションの状態の今は、買い。

Google CEO Eric Shmidt: おめでとう! 10,000回の時にまた電話でおめでとうを言いますよ!
Jim: ありがとう! 10,000回の時点ではグーグル株は10,000ドルですね!

Q: JCG J.Crew 14.61
A: 私自身はこの株には乗り遅れたけど、この悪い環境下の中、CEOは切れ者だし、この会社は良くやってるのでいいとは思う。心配なのは、ボトムから既に6ドルあげてる点だが。でも買いでいいだろう。

Q: ニューヨーク在住、不動産業をやってるドナルドですが、今後のニューヨーク不動産市場はどうなると思いますか?
A: トランプさんに不動産について意見するのは、素人が大学教授に講釈を足れるみたいなもんですが。。。というか、良かったら、視聴者に向けて、トランプさんの、今後の不動産動向に関する考察をお聞かせ願えませんか。
トランプ:きっと良くなると思うけど、もうすぐ放送される私の番組『Apprentice』にこのまえ出てもらいましたが、ファンタスティックでしたよ!
ジム:番組の視聴率凄いですね。日曜の夜を支配してますね。私の出てる回が楽しみです。有り難うございました。
トランプ:1000回目の放送おめでとう!

視聴者からのQ&A
Q: ヘッジファンド時代とこの番組をやり始めてからとで違ったことはありますか。
A: ヘッジファンド時代で大きく違うのは、とにかく目先の利益、短期間での結果を求めていたことだ。でも、この番組での考え方は、この後3-6ヶ月後がどうなっていくのかってことで、タイムフレームが大きく異なる。あと、ヘッジファンドの時は、月末、期末が非常にストレスフルなものだったが、個人投資家の立場でものを見るようになると、そういう時間の制約がなくなる点は、心理面で大きな安堵となっている。

Q: リタイアに向かっての投資として、401KとロスIRAではどちらがいいと思いますか?
A: IRAの方が選択肢が多いという傾向はあるけど、それぞれ違ったメカニズムであり、調書短所があるので、個人個人の状況によって違ってくるので一概には言えません。ただ、少額でも投資を続けることは非常に重要です。

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