Dow Industrials (.DJI) 7,957.06 △70.49 (+0.89%)
NASDAQ Composite (.IXIC) 1,652.21 △6.09 (+0.37%)
子供のころ囁きゲーム(=伝言ゲーム)を良くやったものだ。相場でも囁きゲームに似たようなことはある。アナリストの予想だ。だが、予想が現実と同じになるとは限らない。ゲームのように、最後には全然違う話になっているって訳さ。
例えばCOPを以前お勧めした。アナリストの予想が非常に悪く、決算は最悪だと噂されていたからだ。
だが、そうはならなかった。アナリストに嫌われまくってたが。予想を遥かに上回る決算だった。
アナリストの囁きから耳を塞ぐ方がずっといい。BDKは配当を下げるだろうと囁かれていたされていたが。
かれらもアナリストの予想のようにはしなかったんだ。確かに素晴らしい決算とは言いがたいし、配当を減らす可能性も示唆してはいたが、アナリストの囁きのようには株価は下落しなかったんだ。
YUMもその例だ。バーガーキングの3月の客足が減ったことを受けて、WSJが、食品関連も影響を受けると囁いたせいで、大きく下げたが。YUMは好決算を発表した。
このような、具体的な証明のない噂には耳を傾けてはいけない。YUMはもの凄い決算を出した訳じゃないけど、噂の反動で大きく上がったんだ。噂は時に、そこそこの決算でさえ大きく上げる原動力になることもある。
CATだってそうだよ。決算の数字で、噂が本当だと思わせたが、実際はリストラによる損失なだけだったんだ。そして詳しく見れば、噂は完璧に間違っていたって訳さ。そして株価はすぐに上昇した。
囁きを信じてしまうと、囁きゲームの最後に訳の分からない伝言を話す子供と同じになってしまう。ゲームは楽しいだけだが、株の世界では大きなお金を失うことになるだろう。
大事なのは、囁きは、それを聞いたものを誤って導いてしまうものだということだ。ホームワークをすることが大事なんだ。
視聴者からの質問:
Q: チャートの幅が狭まってきてるんですが、株価が安定化しているということなんでしょうか。
A: これは主観的な意見なんだが。人によっては違うように見ると思うが、私は、そばのボラティリティーが小さくなってきていることと見ているので、チャートの幅が狭くなることで、今まで怖がっていた個人投資家の投資が呼び込まれると見ている。だから、今後の株価の上昇余地も上がってきていると考えているんだ。
Q: MicrosoftがSunを買収しなかったことについてはどう思いますか?
A: 多分勘違いしてると思うが、Sunの買収は、IBMとオラクルの戦いだった。MSFTに関しては、今回のカンファレンスコールの内容を見るまでは判断出来ない。なので、あなた自身もカンファレスコールを確認して、ホームワークをして判断して欲しい。
ーCM開けー
時にマーケットは普通では理解出来ないようなクレイジーな動きをすることがある。今は、そういう狂気のさたが新たな次元に来ているかのようだ。突然、矛盾した動きが普通のようになってきている。逆に堅実な会社が売られたりすることがある。
ここではそんな例を見てみよう。PH Parker HendersonとPG P&Gだ。
先週PHの決算は、予想を下回った。そして将来の見通しも下方修正した。通常このような場合、株価は売りたたかれるはずだ。正常な世の中ならそうなるはずだろう。だが、その後ずっと上昇している。
PGはもうすぐ決算発表だ。そして、きっと素晴らしい決算を発表するだろう。カンファレンスコールも安心して聞けるもので、ヘッドラインも素晴らしいものとなるだろう。そう思ってるのは私だけじゃない。ほとんどの人間が、PGは良い決算を上げるだろうし、堅実性を見せるだろうと思ってる。だがそれに反して株価は冴えない。そして、決算発表後は停滞だろうと考えている。どれだけいい決算を出したとしてもね。
チャートがそれを物語ってる。リーマン恐慌後の様子を見てみよう。業績の堅実なPGは停滞しながら、業績の悪いはずのPHが上昇していっている。
我々は、おかしな世界へ舞い込んでしまったんだろうか。マーケットが狂ってるんだろうか。この狂気沙汰になんらかの規則はあるんだろうか。
しかし、見方を変えれば、意味をなすこともあるんだ。私のような、過去に何度もこういうことを見てきている老兵から見ればね。
PHとPGの株の動きは、会社そのものに対してのものではないんだ。今私が見てるのは、今まででももっとも強烈なセクターローテーションの動きが現れてるということだ。
ファンドマネージャーの考えはだいたい似通っている。経済が下落基調にあるときは、シクリカル銘柄ではなく、PGのようなセキュラーグロース銘柄に買いが入るが、経済が今のように回復の兆しが見え始め得ると、この例のように、PGを売り、PHを買うという動きをするんだ。経済が回復すれば、業績が非常に良くなると見込めるからね。メジャーな機関投資家は、第一四半期を見て株価を買う訳ではない。だから、今四半期の決算がそこそこでも、ここから先、経済が良くなったときに大きな業績アップを見せるだろう銘柄を選んで、買いを入れていくんだ。P&Gは来年も、きっと今と同様か、ちょっと良いレベルの業績でしかないだろう。だがPHに関しては、今の決算がこのレベルにあるんだったら、来年は凄いことになるんじゃないか! と考えているんだ。
結論:狂気に見えるマーケットだが、そこにはセクターローテーションの動きが隠されている。PHがPG
よりも上昇しているのは、将来の高い予想からなんだ。だから、株価の値上がりに掛けるならPHだ。そして、PGは安定的で配当も悪くないが、大きく値を上げることはないだろう。
SELL BLOCK:
私の後に続いて声に出して欲しい。「利益確定をするのは悪いことじゃない!」と。
3月初めの底値から、素晴らしいラリーが続いている。誰もがこの世の終わりが訪れなかったことを祝っているんだ。学者の中にはさらなる暴落を予想した人がいたが、結局あたらなかった。
The Street.comのダグキャスは底を正確に言い当てた人間の一人だ。ダウが6500になったとき、これからのダウンサイドはミニマムだと言ってね。そして、キャスの意見に従った人は、短期間で大きな利益を得たはずだ。でも、今はナーバスになっているだろう。というのは、そのキャス自身が、利益確定をしているからだ。
そして彼は、マーケット全体で利益確定の売りをするよう進めてる。少なくとも、しばらくの間は。私は、今現在相場のリズムにうまく乗って動いている人の意見を尊重する。彼は相場の底を見事に当てた人間だ。そんな人間の意見を検討すべきじゃないだろうか。相場の波に乗ってる人間の猿真似をしたっていいじゃないか。
彼自身は元々ベア派な人間だ。その人間が、今回の底を見事に当て、ブルとなった。そんな彼がここは一旦利益確定だと言う。短期間で上がり過ぎた、5−6%の調整の後、また上がっていくだろうと考えている。
私はキャスが絶対に正しいとは言わないけれど、聞く価値のある言葉だと思う。
彼曰く、4月17日の時点で、S&P銘柄の89.2%の50日移動平均を超えている。このことは、買われ過ぎを示している。
私は彼の意見が正しいかどうかは分からないが、彼の意見を尊重する。そして、それ以上に大事なことは、利益を確定することはいいことだということだ。
どうとらえるかは各自で考えてもらえばいい。だが、株を売ること自体を悪だなんて考えて、利益確定するという考えを捨ててしまうのだけは止めて欲しい。
キャスに同意するなら、適切なレベルのポジションを閉じて、来るべき調整で買いに回る準備をすればいい。
売りを後ろめたいことのような、バイアンドホールドが正しいと信じるような人もいるし、一度売ったものをまた買い戻すという行為を手間のかかる行為のように見る人も居るが、利益を確定し、調整をも利益を得る場とすることは何も悪いことじゃないんだ。このゲームにモラルはないんだ。調整の痛みを甘受することが正しい投資家の姿ではない。利益を上げることが一番重要なことなんだ。
視聴者からの質問:
Q: 商業不動産については、まだまだ下げが深いでしょうか。
A: そんなことはないと思う。レポートでも都市によって明かりが見えているところが出てきている。
Lightning Round:
Q: L Loews Corp. 24.86
A: 充分下がってる。買い。
Q: S Sprint Nextel 4.15
A: 投機のトレードとしては買いだ。インベストメントではない。
Q: PALM Palm 9.80
A: 私はPALMの株価予想に関して間違っていた。この株とはソリが合ってないので、判断は避けたい。
Q: WEC Wisconsin Engy 39.82
A: いい株だが、配当狙いの私としては、同一セクターならD dominionか、Ed Consolidated Edisonの方が6%の配当を出してるのでいいだろう。
Q: ヘルスケア関連で、HOLX 13.80。
A: 私の判断が外れて、買収の件もあり株価を大きくあげたが、私自身はある程度の実質的な結果が見えるまでは投資を判断しないだろう。
Q: PFG Principal Finl. 14.87今日アナリストがアップグレードしたのを受けて5%ほど値を上げてますが。
A: PFGは詳しく理解していないので判断が下させないんだが、保険業界ならTRVもいいと思う。
Q: ノキアはどうでしょう。
A: 私はノキアよりもクアルコムの方が良いと思っている。
〜CM開け〜
この番組で本を紹介することは滅多にないが、最近大当たりの本があったので、紹介するとともに、著者にインタビューしてみることにした。
本の名前は「Joker One」イラク&アフガン戦争の回想録だ。ハーバードビジネススクール出身のエリートが戦争に往き、そしてその後ペプシコの取締役になった。そのCampbell氏に話を伺おう。
Jim: この本の内容自体非常に良かったんですが、プロフィールを見て驚いたのが、ペプシの重役だってことで。私の愛するマーケットに関連する世界の人な訳ですよね。で、軍人だったあなたが、どうして大企業の重役となっているのかに興味を持ったのですが。
Cambell: この質問は良く受けるんですが、私は従軍中、家族の誕生日や多くのことに立ち会えないで居ました。だから戻った時には家族と過ごすことを大切にしたいと思っていました。しかし、同時に海軍生活で得た、規律ある世界、そのリーダーシップを、同じように大切にして働ける場所、自分を高めていける仕事はないかと考えたところ、ペプシの考え方が私の考え方にぴったりと合ったということです。
J: あなたの過去の経歴を考えると、私の時代だったら、GSやモルスタ、シティーやメリルリンチといった会社で働いてたんじゃないかと思うくらいです。そういう金融業であなたの高度なリーダーシップ力を活かすということは考えなかったんですか。
C: たしかにそういう方向も考えたことはありますが。しかし海軍で、プリンストン大学を出た私が、非常に大きな責任を持つポジションを任せられました。それを懐古的に見れば、私のGS時代みたいなものだったと言えるんではないでしょうか。
J: 本のストーリーは素晴らしかったです。ただ、そこには皮肉な側面があって、前線で国のために戦うあなたたちの装備が不十分であったり、財政が十分でなかったことが描かれていますが、この国を窮地に貶めた金融機関に対しては政府は大きな財政出動をしています。それについてはどう思われますか。
C: 戦場ではこう教わりました。重要なのは資金でも、装備でもない。尊厳と、モラルそして、創造的な考え方と、実行力。これらのことがらと、リーダーシップがあれば、問題は解決出来る、とね。ですので、私は一般社会に置いても、同じメンタリティーを持って行動し名誉のもとに働きたいと思っています。
J: 会社では何を受け持たれてるんですか。
C: セールス部門です。
J: どうしてこの本を書かれたんですか。というのは、この本に描かれていることは、大変な苦労の話であり、人々の生命、そして、我々一般市民が、あなたたちを十分助けず、誰が正しくて間違っているのかを判断出来ないような環境に追いやったということだと思うんですが。
C: 一つ言えるのは、私はリーダーとして失敗したということ。そして、過酷な状況の中で兵士達はベストを尽くし、そこには本当のヒーローがいたということ。私は失敗をしたんです。だから、そんな彼らに言ったんです。私が本当のことを人々に伝える、と。それでこの本が出来ました。
J: この本を書いていた時には気づかれなかったかもしれませんが、ベストセラーとなり、戦争の様子を正確に描写したという点で、尊敬に値する素晴らしい本を書かれたと言えます。
C: 私のプライドは問題ではなく、この本を出版したことで、多くの元兵士から、本当のことを伝えてくれてありがとうという激励を受けました。そのことこそが重要なことなのです。そういう意味合いにおいて、私は私のすべきことをしたまでなんです。
J: 本の中でのあなたは、常に様変わりする状況の中で一瞬たりとも気を抜けない状態だっと思いますが、今は全く違う環境なんじゃないでしょうか。どのように環境の変化に対応されてるんでしょうか。
C: 確かに状況は全然違いますが、私が心がけていることは、海軍時代に学んだ、人々に奉仕するという気持ち、それと常に、尊厳を持つということ。たとえ、尊厳を捨てることでショートタームで大きな利益が得られるだろう状況であったとしてもです。なぜなら、ロングタームで見れば、必ず後悔することになるということを学んだからです。私の下に160名の従業員が居ます。彼らをリードするため、このことを常に頭に入れて行動しています。
J: ほんとうなら、あなたみたいな人には今の金融業界をリードして欲しかったと思っています。あなたの様に尊厳とリーダーシップを持ち合わせた人間が、ウォールストリートには居なくなってきてしまっているんです。しかし、あなたのような人間であればこそ、今の金融業界ではなく、ペプシのような会社を選ぶのでしょう。
C: アメリカの軍隊の中には優れたリーダーシップと尊厳を持ち合わせる人間がたくさんいます。それらの人々がきっと社会の様々な分野で今後リーダーシップを発揮してくれるだろうという希望を持っています。
J: どうもありがとうございました。
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