2009年4月29日水曜日

2009年4月27日(月): ジムクレイマー MAD MONEY

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今日の株価終値:
Dow Industrials (.DJI) 8,025.00 ▼51.29 (-0.64%)
NASDAQ Composite (.IXIC) 1,679.41 ▼14.88 (-0.88%)

誰もがオバマ大統領就任後100日ということで、判断を下したがってる。主観的なスタンダードを使ったり、バイアスのかかった見方、イデオロギー、そして扇情的な形でね。

だがこの番組は違う。この番組では、相場がどうだったかで評価することとしよう。

そしてその評決は! オバマ大統領は経済を立て直してきてる! ということだ。そして、6ヶ月後には最悪期を乗り越えていることだろう。

どうしてこんな楽観的な判断をしてるかって? 私にバイアスがかかってる?

オバマの反資本主義的な政策は実施されなかった。そして、ガイトナーとバーナンキがいい仕事をしてるんだ。

さて、オバマ就任からパフォーマンスの良かったものはなんだろう。
JPMは82%アップ。BAC75%、 AXP55%、DO18%、IBM22%、INTC19% 、HD19%。
特に金融関連の銘柄が大きく伸びたのは良いサインなんだ。これらの数字が、デプレッションを回避し、リセッションからの回復基調にあることを物語ってる。もしもこれらの銘柄が下がっていってたなら、経済が回復していなくて、さらに酷い恐慌に突入していってただろうからね。

銀行の暴落は、大恐慌の震源地となるからね。

DOは様々なプロダクトを持っているが、住宅資材にも関連している。だからこの株が伸びていることは、住宅関連も少なくとも峠を越して、回復基調にあることを示している。
私の、6末の住宅市場底打ち予告は、多くの人に馬鹿にされているもんだが、HDのパフォーマンスも同様に住宅市場が良くなっていくことを示していると考えている。

IBMとインテルから何が見えてくるだろう。これは世界全体での、テクノロジーの需要に関しての指標となるんだ。企業は、経済が回復することが見えてこないと、コンピューター関連での新たな投資をしない。そして、これらの株が上がってることは、この分野でも回復の兆しが見えてるということなんだ。

さて、逆にオバマ就任後にパフォーマンスが悪かったのはなんだろうか。
これら敗者は、勝者よりも端的に経済の状況が回復してるのかどうかを示す指標となる。

PFE23%ダウン。KFT21%、MRK15%、PG13%。これらの株が特に値を下げてる。そこから見て取れるのは、経済が素早く持ち直してきてるってことだ。これらの、医薬品、食品、消費関連の銘柄は、ディフェンシブ銘柄で、セクターサイクル上、経済が悪くなっていく時に主に買われる銘柄だ。そして、経済の見通しが良い方向に代わる時に売られていく。

もしこれらのディフェンシブ銘柄が上がって銀行株が下がってたら、経済がさらに落ち込む見通しだということだし、オバマ大統領は経済政策を失敗してるということになる。

だが、実際の今の市場の状況を見れば、市場はオバマ大統領を信任していると言える。

さて、オバマ就任後、GMは50%以上下げている。これに関しては賛否両論あるし、判断をするのは非常に難しい。だが、ウォールストリートの側から見れば、オバマ大統領の手綱捌きに対して、非常にポジティブなシグナルなんだ。

株価の下落は、オバマ大統領が、GMに関して現状維持で救済するのでなく、大きなナタを振ることを示している。最終的な結果はどうなるか分かっていない。ウォールストリートの人間は、債券者よりも組合に泣いて欲しいと思ってる。現状のGMでは全く起こってなかったことだけどね。

株価がここまで下がってるってことは、オバマ大統領は、GMの巨大な債務をうやむやにしないだろうということなんだ。

私はGMの株を買うのは全くお勧めしない。政府と組合が会社の持ち分の多くを持っているし、組合が譲歩をしていない状態は、株価にとっては非常にまずいものなんだ。

さて、これらも含め、市場の動きは、オバマ就任100日を判断するに事足りているだろうか。
私にとっては、十分判断出来ると言える。

株価は、学者や批評家たちよりもより正直に我々に語りかけてくれる。

この番組では、株価でしか判断をしない。そして、その市場の語りかけることから導かれる客観的なデータは、オバマ就任100日が経済的に素晴らしい行動をしている、と判定する。

視聴者からの質問:
Q: QDEL Quidel Corp 10.05。豚インフルエンザの絡みでこの銘柄は上がるのでは?
A: この手のニュースで株価が上昇するのはだいたい2日だけだ。だから明日の引けまでに売るべきだ。水曜以降は相場としては終わってしまう。

Q: 株価が下がったところで、高配当狙いでブルーチップ30の内の数銘柄を買ったんですが、減配のアナウンスがありました。配当が以前のレベルに戻るまでにはどれくらいの期間がかかると思われますか。
A: もしかしたら数年掛かるかもしれない。というのは、銀行銘柄は特に難しいところがあるからだ。一般的な銘柄は、業績が持ち直し、利益が出れば、また以前のように配当を出すだろう。しかし、銀行は政府から資本注入を受けている場合、政府が健全だと判断しない限りは大きな配当を出すことは出来ないからだ。

Q: IPHS Innophos 14.21。3期連続好決算で競合も少ない。
A: 申し訳ないが、この銘柄は、判断を下せるほど詳しくは分かっていない。きちんと調べるようにするので、今日は判断は控えたい。


ーCM開けー
ヘッドラインから:

一般新聞から情報を得て株で利益を出すのはとても難しいものだ。実際のところ、投資の判断を、特に、株に関する新聞の記事で、決めてしまうことは最悪だと言っていいだろう。どうしてかって? というのは、記事を書いてる記者は、株式投資専門の人間じゃないからだ。彼らには動機も少ないし、自分で内容の裏付けを取るだけの能力もない。彼らは知ってることだけを書く。何が株を動かすかということじゃなく。

今日はその例を挙げよう。

先日ニューヨークタイムスに、ヒューレットパッカードの記事が載った。要約すれば、HPは、ビジネスフォーカス過ぎて、イノベーションがない、セクシーなプロダクトを生み出せていない、というような、CEOに対する批判記事だ。なぜ、HPはiPodみたいなプロダクトを出せないんだ、とか、クリエイティビティーがないとかね。

個人投資家はこれを見てネガティブに感じて株を手放すかもしれないが。

我々は投資家なんだ。投資家としては、正直この記事からは何も得るものがない。別にこの記事を批判してる訳じゃない。

だが、こういう記事が、個人投資家に誤った判断を与えることがある。

ヒューレットパッカードに、彼が言うような資質が必要だと思うかい?

確かにHPはアップルやリサーチインモーションのようなイノベイティブなプロダクトは無いが、プロダクトのセクシーさよりも、数字で判断すべきなんだ。

HPのビジネスは、確かにエキサイティングには見えないが、着実に素晴らしい数字を出してきている。ビジネスにフォーカスした経営は、十二分に機能している。

だから、こういう一般紙の記事の見出しで惑わされてはいけない。株式投資にとって、真に重要なのは、セクシーさでもクリエイティビティーでもなく、業績を表す数字だけなんだ。

(訳者注:この部分、かなり要約しました。。。ご了承下さい。)


オイルタンカー業界について:
今のオイルタンカー業界を取り巻く状況は最悪だ。石油需要の減少で、新品の船が、一度も使われること無く廃棄処分になったりもした。タンカー料金は、ここ7年で最低水準。OPECも減産。1日あたり大型船2隻分もの減産量になってる。

だが、この業界にもやっと回復の時が来たように見える。ブルームバーグの記事で、スーパータンカーのレートが戻ってきてるという話が出てきている。

さて、タンカーのビジネスは、オイルの値段は関係ない。タンカーに対する需要と供給がキーだ。そして、今ちょうどその状況が変わってきている。ソマリヤの海賊が悪影響を及ぼしていたにも関わらずね。

先週タンカーレートが上昇しているというアナウンスがあった。一週間で、中東から東へのタンカー料金が、40%アップしたんだ。だが、以前の価格からさんざんに叩かれたタンカー料金は、この上昇でもまだまだ安い状態だ。中東から西に掛けての料金も18%アップ。西アフリカから湾岸へも18%アップ。

アップサイドはまだまだ大きい。そしてこれは始まったばかりの動きなんだ。

なんでこの業界が良くなると思うかって?

船のオーナーは新たな船の建造を躊躇ってる。そして、環境への問題から、オイルの流失しやすいシングルホールタンカーが来年度にかけて110隻スクラップにされることが決まっている。

これらのことから、タンカーの供給数は20%縮小する。このことは、需要と供給の関係から、タンカー料金がさらに上がることを示している。

そしてもう一つの指標は。バルチックドライ指数が上昇しているということだ。この指数自体は直接オイルタンカーと関係している訳ではないが、4月頭から27%上昇していることは、考慮に入れてよいだろう。これは、シッピング関連全般に関して需要が復活してることを示すからだ。

そして石油の多くは中国向けに輸出されてる。

さて、どの企業の株を選ぶかを決めるために、このような環境下でも順調な業績を続けてる会社を選ぼうと思う。それを判断するために、業界トップ10の中から、過去5年のトータルリターンが高かったものを見ていこう。

1 FRO 180%。2. NAT 99%。この二つがダントツだ。そして非常に大きく離れて3. TNP 32%。


FROとNATが、シェアホルダーにとって長期に価値を提供してきた。だからこれらの銘柄を、今回のテーマに関して選ぶ銘柄とすべきだ。

FROは大きなシェアを持ってる。NATは、船の数では少ない。TNPは、チャーター船だ。NATは日計りの料金にフォーカスしている。だから、レートの上昇の恩恵を一番受ける。FROは既に多くの船の契約を済ませている。NATが一番アップサイドがあるだろうが、もし私の予測が間違っていたとしたら、FROの方が安定性があるだろう。

忘れてはならないのは、これらの銘柄は高配当株でもあるということだ。NAT8.2%、FRO5.7%だ。業績が上がればさらに上昇する可能性がある。

視聴者からの質問:
Q: DRYS Dry Ships 6.41
A: 財務も良くないし、今話したオイルタンカーの方が良いと思う。

Q: CNI Canadian Nat'l 39.56。この会社で働いててリタイヤし、株を持っています。シティーがダウングレードしたけれど、売るべきか持っておくべきか?
A: いい会社だ。私なら買い! もちろん、会社で働いてらしたから株をたくさん持ってると思うので、ここから買いとは言わないけれど、売るべきじゃない。

Lightning Round:
Q: JNJ Johnson & Johnson 50.85を持ってるんですが。
A: 我慢のしどころだ。今はサイクル的にこの株の旬ではない。配当も良いしいい株だが。長期で見るなら保持でいい。短期で見るなら、値上がりは見込めない株だ。

Q: CPO Corn Products Intl. 20.62
A: 今の株価は魅力的だ。買い。

Q: PCL Plum Creek Timber 35.40
A: 配当が思ったほど良くなかった。配当の良さが人々がこの銘柄を選ぶ理由なのにね。だから、私は EPDの方をお勧めする。素晴らしい決算だったし。

Q: CRM Salesforce.com 40.65
A: この株の判断はいつも難しいんだ。プロダクトも素晴らしいし、CEPもベストだ。だが株価は高い。PER40というレベルだ。だから成長に対してのリスクをとれる投資家は買いでいいと思う。

Q: LINE Linn Energy 16.21
A: 天然ガスの価格が下がり過ぎてる。売り。

Q: NOV Natl. Oilwell 30.14
A: 先週の決算は誰もが失望した。オーバーヴァリューだと思う。売り。

Q: PPL PPL 29.65
A: ユーティリティーなら、DかEDの方が配当も業績内容も良い。そちらをお勧め。

Q: AG Agco 24.25
A: 正直アグリ関連の株は評価していないんだ。その中から唯一選ぶとすれば、LPをお勧めする。

Q: FDP Fresh Del Monte 17.03 決算前でどうしようか迷ってます。
A: 決算が心配なら、既に発表し終わった会社でもいいじゃないか。HSYはダウングレードされたが、実際のところは業績的にモーメンタムを持ってると思う。こちらをお勧め。

Outrage of the day:
今日の怒りの矛先は、ETFだ。特にウルトラショート。Proshareという会社がウルトラショートのETFを作り出している。倍のレバレッジを掛けて銘柄をショートする。こんなものは禁止すべきだ。
最悪なのはSKF。私はこのETFが、銀行セクターに多大なダメージを与えたと考える。そして、きっとそのせいで、銀行救済の資金として、あなた達の税金が何億ドルも使われてしまってるんだ。

それだけのダメージを与えただけでは物足りないのか、Proshareは、94種類もの新しいショートETFを、SECに申請している。しかも、3倍のレバレッジを掛けた商品まで開発して、だ。

コミッショナー。頼むからこんな馬鹿げた商品を廃止してください。市場を健全にするために、心からお願いします。

投資家は、これらのショートETFが、下落相場に対し、長期に渡ってもヘッジとして機能する素晴らしい商品だと思っているけれど。

だが、ETFの価格は日々更新される。そして、それは単純に長期のボラティリティーを示すだけでしかない。

だからSKFで長期投資しても利益を上げられない。相場が下がっているにも関わらず、SKFにはそれが正確には反映されない。

他のショートも同じだ。

これらのショートETFを買ってよい人間は、デイトレーダーだけだ。長期投資にはヘッジとして役立たない。

だがそれが、トレーダーにどんな力を与えるか、というと、ショートするセクター自体を多いに下げる圧力となるんだ。

ベアなトレーダーにはまたとない武器な訳さ。そして、マージンルールも無視出来る訳だからね。

私自身は、ショート系のETFは全て廃止すべきだと思う。そして、最悪でも、新規に作ろうとしている3倍ショート系は絶対認めるべきでない。

2倍でさえ問題なのに、3倍なんて、猛毒でしかない。

長期で見れば、株価の動きに連動していない。だが、短期ではマーケットに強烈な下げ圧力を与えて、ベア派にマーケットに対する影響力を付与し、マーケットを壊している。それだけでも十分廃止するに値する理由だが、このせいで相場のボラティリティーが上がることによって、一般投資家が相場を怖がり、株式市場から離れさせてもしまっている。

マーケットに恐怖という影響力を与えることは、この国を支える資本市場の健全性を大きく損なうことだ。

アップティックルールが復活したとしても、このようなウルトラショートETFがある限り、ルールはザルになってしまう。既にマージンルール逃れのために使ってるやつらがいるんだから。

市場をフェアにするために、SECは是が非でもショートのETFを廃止すべきだ。でないと、ルール破りをする人間が出て、市場が健全でなくなり、まともな投資家にとって投資すべきでない環境となってしまう。


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2 件のコメント:

  1. このような翻訳は大変な作業かと深く感謝いたします
    毎日かかさず拝見し、しっかり参考にさせて頂いております。ありがとうございます。

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  2. ニバンさん

    いつも見て戴いてありがとうございます。仕事の都合で、記事をアップするのにタイムラグが出てしまいすみません。

    たくさんの方に読んでいただけているので大変はげみになります。

    今後とも宜しくお願い致します。

    返信削除