2009年5月6日水曜日

2009年5月5日(火): ジムクレイマー MAD MONEY



今日の株価終値:
Dow Industrials (.DJI) 8,410.65 ▼16.09 (-0.19%) Volume 311M
NASDAQ Composite (.IXIC) 1,754.12 ▼9.44 (-0.54%) Volume 2,147M

ここまでの間、ベア派にとっては、上がって欲しくないセクターが上昇していた。ハイテク、銀行、石油関連だ。ブル派にとってはいいサインだが。しかし、新たな資金の流入は少なかった。ミューチャルファンドマンデーの話しをしたが、今日は新たな資金の流入ではなく、食品や医薬品セクターを売って、今日上がったセクターに振り返るという動きが目立っていた。問題なのは、これらの動きが止まってしまった時、そして新たな資金が流入しない時、ハイテク、オイル、銀行株を押し上げてた燃料が切れてしまう。それがまさに今日起こったことなんだ。

KRAFTやモルソン、その他のコンシューマーステイプルの株価が上昇していながら、ハイテク銘柄に売りが入った一日だった。

これは良くない動きだ。

新たな資金が入らない状態では、これらのディフェンシブな株は売られるべきで、その資金がブル相場を引っ張るセクターに投入されなければ、上昇相場は続かないんだ。

だが、私は未だブルを継続している。だから、いずれ食品や医薬品等のセクターは下げを食らうだろうと予測する。

視聴者からの質問:
Q: ストレステストに引っかかった銀行の資本増強が上手く行かなかった場合、市場はどうなるのでしょうか。
A: 心配することはない。バフェットも、ストレステストの内容は厳しすぎるという話しをしている。私自身は銀行の今後に付いては何も心配していない。

Q: 10年債の利回りが上昇しています。FEDが市場へ資本注入を今後もする可能性がありますが、ドルに対する影響は?
A: ドルは今のところまだ強いままだ。我々は恐慌を回避しリセッションから立ち上がろうとしている。今のドル価は多くの企業にとって、高いレベルだ。下げ圧力があってもなんら問題は無い。

Q: 今株価が大きく上昇して利益が乗っていますが、短期売買の税率と長期保持の税率の違いがあり、長期で見た場合、税制から見てどのような戦略をすべきでしょうか。
A: 過去税制を気にして売り時を逃し大きな損を出した人がいる。短期売買であれ、きちんと利益を出すことだ。たとえ税金を多めに払ったとしてもね。含み損を抱えてしまうまで持ち越してしまうことは罪だからだ。

ーCM開けー
OFF THE CHART:





CLF Cliffs Natural Resources 鉄鉱石と石炭関連の会社だ。

普段はファンダメンタルから銘柄を選定して、チャート派の考えを見るようにするコーナーだが、今日はその逆で、チャート派の考えを見てから、ファンダメンタルを調べるという手順を取ってる。

まず日足チャートを見てみよう。テクニカルアナリストのテクニックを使うまでもなく、チャートは上に突き抜けてる。

だが週足チャートで見てみよう。週足で見れば、チャート上は対して大きな上昇ではないのが伺える。御バランスボリュームを見れば、買い手がだんだんと増えていることが見える。だが、この相場は始まったばかりに見受けられる。週足のチャートは非常に重要なんだ。

最初日足を見た時、既に時遅しと思ったが、週足で考えれば、まだまだ乗り込める段階だと気づいた。

さてファンダメンタルはどうだろう。色々と調べた結果、私はチャート派が正しいと思われる3つの理由にたどり着いた。

1. まず、CLFは、下落相場時にヘッジファンドにくそみそに売りたたかれた銘柄だったということ。巨大な売り圧力でヘッジファンドが売りやむまでの間に66%下がった。
2. 52週高値では120ドルの銘柄だったんだ。それが今でも27ドルでしかない。だが会社のファンダメンタルは基本的に変わっていない。もちろん、景気後退で業績も悪くなり、会社は50%減という発表をしていたが、株価は77%下がっている。下方向にオーバーシュートしているんだ。
3. それと、他のチャートで商品関連の動きを見ている人間がいるが、彼は、石炭価格が上昇すると見ている。

私はファンダメンタルも良いと考えているし、チャート派も買いだと考えている。

チャートを見て、奇麗な上昇基調にあるとき、見逃したと頭を掻くのでなく、より深く、ファンダメンタルも含め検討するんだ。そうすれば、この銘柄を買いだと私が判断したように、あなたにも買いのチャンスが見つかることだろう。

視聴者からの質問:
Q: X US Steel 30.83 業績不振、配当減に新株発行などネガティブニュースで売ったのですが、その後騰がってしまいました。買い戻すべきでしょうか?
A: あなたみたいなケースは多々ある。実際なぜ値が上がったのかと言えば、不況下で投資家は倒産の心配をするが、新株発行等で資本増強が成されれば、倒産リスクは大きく減るため、そこで買いが入ってくるということなんだ。だから上昇した。ここから例えば27ドルくらいまで下がれば買い戻すこともいいと思うが、このまま上昇するようなら、この株を追いかけるべきではない。他の良いストーリーを探すんだ。

Q: 投機に関して、5日チャートを見ながら投資してますが、もっと長期で見た方がいいですか。
A: 短期売買なら短期の動きに気をつけるべきだから正しい。大事なことは、何かモーメンタムの付く出来事が起こってるかどうかってことだ。私の場合、短期でもチャートだけでなく、ファンダメンタルで買われるあるいは売られる大きな理由が出ることに注目する。

〜CM開け〜
今の経済の状況がどうなってるのかを、経済データではなく、実際に人々の消費の側から見てみたい。そこで今日は、食に関して、高級レストランチェーンから、ブランドを使ったスーパー向けの商品や料理本を出していることで有名な料理人でかつ起業家のEmerill氏に話しを聞いてみたい。

インタビューwith Emeril Lagasse
Jim: あなたのレストランは高級志向で値段も掛かるものですが確かに素晴らしい料理です。それはたまの贅沢という感じに利用されるものだと思いますが、あなたのビジネスはそれだけでなく、スーパー向けの商品群もある。この両者のバランスはどんな感じになってるんですか?
Emeril: 状況はどちらも、とても良くなってます。以前は確かに消費減の状態があって、だからこそフランチャイズ商品の売り上げが伸びていたんです。パスタ製品や、香辛料、キッチンウェア等は火がついた状態でした。そしてやっと近頃レストラン分野も状況が好転してきました。確かに状況は変わっています。今は250ドルのワインを人々は頼まなくなりましたが、うちの店では75ドルのお薦めワインリストを作っています。食事の分野でも、うちのレストランには、S,M,Lのサイズがあるのですが、お客様は、例えばSの皿の料理を2つとサラダ、という風に、コストを抑えてきています。確かに財布の紐を締めてるところはありますが、でもやはり素晴らしいサービスやゴージャスな雰囲気を味わいたいという重要はあり、そういった消費行動は、客足ベースでは増えていると言えます。

J: ペンシルバニア、ベツレヘムのカジノでレストランを開くことになっていますが、まだまだ経済的には良くない状況の場所になぜ出店するのですか。
E: ラスベガスサンズとは旧知の仲で、彼らがカジノを出す計画があり、レストランが必要ということで、最初は複数店舗出して欲しいという話しだったんですが、とりあえず一店舗出すということで決まってたんです。

J: 実際のところ、あそこにカジノを作るのはいい線行くんじゃないかとは思ってるんです。フィラデルフィアからもニューヨークからも1時間半くらいでこれますからね。 ところで、フロリダ、べガス、ニューオーリンズなど、景気後退の激しいところに高級店を出されていますが、今の状況はどうなっていますか?
E: 我々のレストランのビジネスは、12%ほど落ち込みました。これはそれほど悪くない数字だと思います。同業他社の多くは30%以上の落ち込みをしているところもあります。ですが、少しずつではありますが、確実に良くなっていると言えます。

〜CM開け〜
Lightning Round:
Q: LGF Lionsgate 5.01
A: あまりに投機的すぎる。航空会社と映画会社で儲けることは出来ないと言っていいだろう。

Q: C Citigroup 3.34
A: 普通株に転換可能な優先株の価格がネックになって、普通株の頭が押さえられてる。もし銀行系で投機するなら、BACの方がいい。投資としてならJPM。

Q: CVX Chevron Corp 65.80
A: 業績も悪かったし配当も減った。しかしここに関してはこんな時こそ買いだ。いずれ景気が回復した際、コストダウン等で業績アップが見込める。

Q: CREE Cree Inc. 28.10 LED照明の将来は?
A: Creeは業界一位だが、私は信じてなかったんだ。だが私の予想を超える素晴らしい業績を出してきた。コメントをきっちり出せる立場でない。私は判断を間違えていたからだ。

Q: FRO Frontline 23.65 売るべきでしょうか。
A: いやいや買いだ。バランスシートも素晴らしい。いずれ上昇すると思う。

Q: CMI Cummins 34.00
A: トラックエンジンの問題があった。素晴らしい会社ではあり、推奨したいが出来ない。セクターローテーション的にまだ時期ではない。

Q: ICLR ICON PLC Ads. 15.26
A: 医療リサーチ関連ビジネスでは私は過去手痛くやられたので、お勧め出来ない。

Q: HMA Health Management 5.01
A: 確かに今のところいい値動きだが、ケアホスピタルの事業に関しては、オバマ政権下では私はお薦めしない。ヘルスケアの改革がどうなるか分からないからだ。

Q: HOTT Hot Topics 12.33
A: アパレル関連はいい上昇をしてきた。だからここらで利益確定すべきだ。業界全体に言えることだが値を上げ過ぎて危険なレベルだと思う。


TECH WEEK:
今日の推奨株は、BRCD Brocade Corp 5.88だ。
BRCDは今日、IBMと、ルーターとスイッチを含むOEMの拡張について同意する予定とアナウンスした。
また、マクデータの吸収も、いい方向に働くと考えている。BRCDは最近、データセンターの次世代の進化に対応すべく、ネットワーク集中ビジョンを発表した。

この銘柄は新しいものではなく、過去にも取り上げたことがある。下げ続けて見放したこともある。当時は1.40だった。今は5.88だ。

財務は良くない。だから投機的な銘柄だ。1.2ビリオンの負債がある。2007年1月のマクデータの吸収に掛かった費用も含めてね。そして景気の悪い時期に陥ったことでバランスシートは痛んでるが、めちゃくちゃな状態ではない。

BRCDは、ネットワーキングビジネスに対して、CSCOとの競合姿勢を強めている。CSCOは25%だ。ギャップはまだまだ大きいが、CSCOのシェアを超える必要はない。シェアを少しでも増やすことは、この企業にとって可能なことだと思う。

投機に関して大事なのは、完璧である必要はなく、予想を上回ることが大事だということだ。

CSCOは明日の引け後決算を発表する。自社の状況を悪めに話し、競合をさらに悪く言う可能性が高い。そこにチャンスがあるだろう。

明日の朝買ってはいけない。だがシスコの決算後、買いのチャンスがあるだろう。競合みずからが、他社も道連れに株価を下げてくれるだろうからね。

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