2009年5月6日水曜日

2009年5月4日(月):ジムクレイマー MAD MONEY






今日の株価終値:
Dow Industrials (.DJI) 8,426.74 △213.33 (+2.61%)
NASDAQ Composite (.IXIC) 1,763.56 △44.36 (+2.58%)

今日は、我々が「ミューチャルファンドマンデー」と呼ぶ現象が、まさに起こった日だった。週末を経て、一般投資家の気持ちがポジティブになって、月曜日に、市場に大きな資金が投入されることだ。

そして、この現象は、ブルマーケット特有のものなんだ。

ピークから大きく下げたが、この2ヶ月は大きく戻している。そして、中国の刺激策も効いてきている。消費関連から、産業関連へとシフトしながら、世界経済を牽引しつつある。

そして、今日はほとんどのセクターが上昇した。

そして私はまだまだ上があると見ている。

なぜなら、まだまだネガティブな意見が多い状態だからだ。週末の新聞の記事はネガティブなものばかりだった。特に5つのネガティブストーリーについて解説しよう。

1. 銀行のストレステストについての見解。週末、多くの銀行がストレステストに通らず、金融市場に打撃をもたらす可能性がある、という話があった。
だが、バフェットはストレステストの枠組み自体が厳しすぎるんでは、ということを話し、株主でもあるWFCに対しては、独自のストレステストを実施して問題ないと判断しているという話しをしていた。
そして今日の市場では、WFCに資本増強の必要性があるとかダウングレードのニュースがあったにも関わらず、23%も上昇した。BACも19%。その他の銀行も大きくラリーした。

2. 住宅市場のネガティビティー。だが、3月の契約済住宅数インデックス3.2%アップ。3月の全米建築支出は0.3%アップで9月以来初めてプラスに転じた。ノンパフォーミングモーゲージのレートもそのうち下がるだろう。そして、それはベア派を震い上がらせるニュースになることだろう。

3. GMをクライスラー方式で処理するかもしれないという噂。だが、クライスラーは市場に織り込まれてしまっているし、このニュースがどうなろうと、たいした影響力はもうない。

4. 建設銘柄が余りに早いスピードで上げ過ぎているという話。Xなんかの急激な上げを心配しているが。だが、実際建築に関する数字は9月以来初めて良いものが出てきているんだ。そして、WSOは、売りの独房から釈放したとたん、週明けの今日は15%の上昇だ。

5. 豚インフルエンザ。もちろん、心配なことではあるが、実際問題として、世界経済を破壊するほどのたいへんな状況へは進んでいっていない。

これらの5つのネガティブなストーリーは全て、心配されすぎな内容なんだ。

結論:今市場にお金を投入することは、馬鹿げていると思うかもしれないが、だが、状況を考えれば、本当のところは正しい行動だということを否定は出来ないだろう。そして、世間にネガティブなニュースが流れている間は、まだまだ儲けを得られる機会が与えられてると思っている。


視聴者からの質問:
Q: 労働組合のUAWがクライスラーの株式を55%持つことになりましたが、この影響とGMに関してどうなるのでしょうか?
A: GMも含め、この関連の株には手を出さない方がいい。GMも同様の形で処理される可能性が高いと思ってる。

Q: MCD をディフェンシブ銘柄とおっしゃってましたが、その定義は?
A: 業績が景気の波に関わらず一定している銘柄だ。そして、大事なことは、現時点で人々が求めている株は、景気回復の波にのって大きく業績を上げられる余地のある株なんだ。MCDは、好景気であろうと、そこそこ一定レベルでの業績しか出せないだろう。コンスタントに一定レベルの業績というのを、今の相場は求めていない。だから、ニューコアとか鉄鋼関係を買って、景気回復期の大きな成長に賭ける、という行動をとるものなんだ。

Q: グリーンエナジーに関する政府の政策とファーストソーラーの今後は?
A: 現状は、ファーストソーラーにとって必ずしも良い状況じゃないにも関わらず、素晴らしい決算を出した。石油価格は安値のままで、政策も実施に移されてきていない状態なのに、だ。だから、私はまだ上値があると思う。今後多少の調整があったとしても。グリーンプレーに賭けたいなら、買いだ。QTWWなんかもありだろう。

ーCM開けー
市場の健全化のために、アップティックルールを昔の状態に戻すことを、この番組ではずっと求めてきていた。そして、未だ60日間の、コメント募集期間は終わっていない。だから、個人投資家である皆さんの意見を伝えて欲しいと思ってる。そして、コメントが集まったあと、SECは5つのチョイスの中から一つのルールを採用することになっている。きっちりしたプロセスに見えるが、私はまったく信用していない。

そこで、今日は、この問題に対して個人投資家が受けてきた損失を、声を大にして唱えられ、SECに対してルール復活への働きかけをしてくださってるKaufman上院議員にお話を聞いてみよう。

J: アップティックルールを廃止したことが、なぜ問題なのかご説明戴けますか。
K: 金融危機により株価は大きく下がりましたが、その理由のひとつとして、このルールが廃止されてしまってることにより、市場に対しての、信頼感が落ちてしまったという点も大きいと思ってます。そして、株式市場に取って今一番重要なことは、株式市場をフェアなマーケットに戻し、個人投資家の市場に対する信頼感を取り戻し、投資を呼び込むことだと思います。ですので私はアップティックルールの復活をSECに働きかけてきましたし、ネイキッドショートも禁止すべきと考えています。
J: SECは、薄まったルールに改悪しようとしていると、あなたと同様私も思っていますが、力のあるショート筋の思惑が強かったり、SECとルール変更に取り組んでる学者達の意見では、私やあなたの考えは間違ってる、というような議論もあります。どうなってしまうんでしょうか。
K: 私はまだあきらめていません。2007年にSECはたくさんの誤った判断を下してきましたが、Schapiroが、今回は、市場に信頼を持たせることをコミットしてくれると思ってますし、だからこそ、議員達で彼女に対しての嘆願を出しました。私は彼女が正しく対応してくれると信じています。そして、問題がおこらないよう、法案も提出しています。法案を使う必要が無いようになることを望んでいます。
J: 私の理解では、2007年ルール廃止時に関わった人間は、アカデミックな人たちでした。GS時代の私のボスは、フィッシャーブラックという人で、ブラックショールズモデルを発表した人物であり、オプションに関して世の中で最も詳しいと言える人でしたが、2007年の時、アカデミックな人々の動きに対して、彼らは市場のことを理解していないと批判していました。
K: 今回に関しては、SECが間違った方向に進んで欲しくないと思ってますし、その方向には行かないと考えています。SECはアカデミックな人間のみで今回のルール改正を決める訳ではないですから。ただしかし、アップティックルール復活に関する調査として、2005年の株価の動きを用いるということを言ってますが、当時はまさに上昇相場だったんです。確認するなら、2007年や2008年を使わねば意味がないと思います。
J: 完璧に同意します。彼らが、アップティックルールが不要といってた学術的な議論の拠り所は、実際の状況とは違っています。例えばショート系のレベレッジをかけたETF。これらはマージンルールを逃れることが可能です。アップティックルールを復活させる必要はないという前提条件に対して、たくさんの例外事項がある状況なんです。また、取引所にとって、例えそれがこの国の株式市場を壊し、個人投資家に損害を与えるとしても、取引高が上がることが重要という部分があります。どうやってこれを乗り越えれるでしょうか。
K: 私には良くわかりませんが、でも、SECは今まで様々なミスを犯してきました。そして、そのミスをカバーするため新たにミスをするという悪循環がありました。今回こそは、この循環を断ち切って正しい形で判断してくれることを望んでいます。
J: ありがとうございます。

上院議員は、この国の株式市場がかつて繁栄によって富を築いてきた状態へ戻そうとしてくださってる。今のように、ただのゲームと化した市場ではなく。それは個人投資家にとって重要なことなんだ。だから、SECに対して皆さんも声を上げてアップティックルールの正しい復活を促して欲しい。




〜CM明け〜
ハイテク関連銘柄が急上昇して、心配している人もいるんじゃないだろうか。INTC, AMDの今日の上昇を見て、上げ過ぎてるだと思うかい。ミューチャルファンドの資金も入ってきて、怖がってる人もいるだろう。

ニュートンの物理法則のように、上がったものは下がる、という考えが株にも当てはまるのだろうか。答えはノーだ。

ハイテクラリーは続くし、実際、さらに上昇すると私は思っている。

この動きは相場が下落基調になってこのかたずっとご無沙汰だったものが現れてることをしめしてるんだ。

『モーメンタム』

ミューチャルファンドはハイテク銘柄を、脇目もふらず買いに走ってる。通常、高値になれば、買いは薄まるものだが。だが、このハイテクラリーは逆の動きになってるんだ。上昇すればするほど、モーメンタムを求めるミューチャルファンドが好感して集まってくる。

このようにモーメンタムがつくと、強さがますます強さを作る。人々は、成績の良いファンドを好む。だからますます資金が入り込んでくるんだ。NASDAQは年初から12%上がった。これは本当のサインだ。ブルがより広範囲にハイテク銘柄を漁って来てるんだ。

ハイテクラリーはまだまだ続く。だから考えるべきことは、次のレベルに上昇するときに、どの株が買われるだろうかってことだ。

ハイテクラリーが始まった時、RIM, AAPL, GOOG, AMZNが大きく買われた。そしてここからも買われていくだろうが、今は広がりを見せてる。

だからここからのベストな戦略は、ラリー初期に日が当たらなかった、どちらかというと売られていた小型のハイテク銘柄を探すことだ。

ミューチャルファンドに資金がどんどん流れてきて、ベアがブルに鞍替えしてくれば、あまり知られていない、小型の投機銘柄にも日が当たる。

通常投機株は金曜日にしか話さないが、今週は毎日ハイテク銘柄を取り上げようと思う。だが、投機といっても、本来であればメインストリームの会社なんだ。

なぜハイテク小型銘柄への投機がスペシャルなことで、今週ずっと取り上げることにしたかって?

というのは、つい少し前までの相場は、恐慌回避相場で、どんな株でも基本的には上がった相場だったからだ。

だが、ハイテク銘柄はもーメンタムがついてきてる。これからも利益を出せるセクターだと思う。例えば、AMD, CIEN, SWKS, TLABを過去に取り上げた。これらは、下げ相場時に叩かれまくった株だ。

初めてこれらを買い推奨した12月12日から、1月8日ある程度利益を取り込むべきだと話した時には、平均して20%以上上昇してきた。だが、そのまま持ち続けていたらどうなったと思う。89%の上昇だ。その間S&Pは3%しか上昇していない。

そしてここまではデプレッション回避での上げ相場だったんだ。だが、ミューチャルファンドの資金が入ってきてる。これからさらに資金が市場に流れ込めば、ハイテクはさらに買われていく。

だから今週ずっと銘柄を紹介する。信じて欲しいんだが人々はこれに乗ってくるはずだ。

AAPL, GOOG, AMZNのような主要銘柄は、今後も上昇余地はあるが、波に乗ることに疲れた人間が出てくる。

今日の銘柄は、TKLC Tekelec 16.21
テレコム関連の企業で、テキストメッセージ送信機器なんかを作ってる。ボイストラフィックやワイヤレスネットワークをコントロールしたり、ローカルナンバーポータビリティーに関する技術を持ってる。そして35%の市場シェアを持ってるんだ。

この企業の技術は化石化してるものじゃなく、特にテキストメッセージに関しては成長トレンドのものだ。ワイヤレスネットワークの加入者は世界全体で年間11%ペースで増えている。メジャー会社は、顧客の需要に対応してこの会社の機器を買う。VerizonとAT&Tによれば、テキストメッセージの増加は年間20%にもなってるんだ。数年前には無かったレベルのことだ。

ハイテク好きのミューチャルファンドは、きっとこの放送を見た後この銘柄を気に入ると思う。トレンドにそったこの会社の成長を考えれば、この会社を無視することは出来ないはずだ。

そして、この会社はインドに大きなシェアを持ってる。大手7社のうち5社が顧客だ。そして今年第二四半期には、インドはローカルナンバーポータビリティーを導入すると言っている。

この銘柄は借金がない。財務は素晴らしい。

ただし、木曜日に決算発表がある。決算発表後に、買いに入るべきだ。


視聴者からの質問:
Q: S Sprint Nextel 5。決算では顧客が減少している等のネガティブなものがあったんですが。
A: 私はこの株が3-4ドルの時に買い推奨を出してきた。そして、まだその考えは変わっていない。買い。

Lightning Round:
Q: MBI MBIA 4.95
A: 投機的だ。JPMを買う方がいい。

Q: WTR Aqua Ameria 18.10
A: あまりいい業績を出してないし配当も冴えない。ユーティリティーなら5.5%の配当がつくドミニオンリソーシズか6%の配当のコーンエド(?)を買う方がいい。

Q: BEAV BE Aerospace 11.10
A: 来年はいい業績を出す可能性がある。買い。

Q: LVS Las Vegas Sands 9.77
A: 私が利益確定を促した後まだ上げてるが、この業界の中ならWYNNの方がいいだろう。

Q: CLNE Clean Energy 9.25
A: 私の好きな銘柄だがナチュラルガスの価格は低い。だが、オバマの政策が実行されれば恩恵を受けるだろう。投機としては買い。


視聴者からの手紙:
Q: SWKSのCEOインタビューで、バッテリーの消費に関しての話しがありましたが、どこのメーカーが携帯関連のバッテリーでベストでしょうか?
A: SQMがいいだろう。下げているが安値で買えるチャンスだ。

Q: HOG Harley Davidson. 買値から倍になりました。半分売ってしまって残りをタダ株にすべきでしょうか。
A: 半分売ろう。

Q: STTとBKがマークトゥーマークルールの変更の利益を得るだろうと話されてましたが、STTのCEOは、カンファレンスコールで、市場はこの変更に過剰に反応してるが、我が社はルール変更の恩恵を受けないだろうと話してました.どうしてですか?
A: 確かに、フルにベネフィットを得ないかもしれないが、やはり利益を得る部分はある。ここから10%は上昇すると見てる。持ってていい。

Q: CNW.トラック業界は、石油がこのレベルで、2010年には業界が回復するとすればどうなるでしょうか。
A: CNWも戻るだろうが、UPSの方が良い。その次はFedEx。鉄道業界もどうようよくなると思う。


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2 件のコメント:

  1. 一週間更新が途絶えていますが・・・どうされていますか? 私にとってはものすごく貴重なブログで、楽しみにしているのですが・・・。(とプレッシャーをかけるつもりはないのですが)

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  2. 匿名さん他読者の皆様

    先週中ばたばたしてたのと、週末土日とも仕事で埋まってたもので、作業にかかれませんでした。とりあえず、二日分アップしました。お待たせしててすみません。

    少し仕事が忙しくなってきたので、今週から、ちょっと簡略化バージョンになってます。内容のコアな部分を要約していくような形になっていきますが、続けていきますので、今後とも宜しくお願い致します。

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